感情を解放しなければ意志は育たない(中)

自分の感情に気づかなかったり、無視したりすると、
「自分のしたいことがわからない」
「自分の気持ちがはっきりしない」
 というようなことで悩んでしまいます。

 それは意志が育っていないからです。
 意志は、あなたの欲求や願望から生まれます。
 その欲求や願望は、感情から派生しています。

 前回、こんな話をしましたね。
 
 一般的には、感情というと、
「あの話に感動した。感動して号泣した。腹が立ったので、我慢出来
なくなって、爆発させてしまった」
 というふうに、上下左右に起伏が激しく、怒涛のように荒々しく揺
れる感情をイメージしてしまいがちではないでしょうか。
 
 オールイズワンで、セミナー参加者の方々に、感情をどういうふう
に捉えているかを尋ねたことがありました。
 すると、大半の方が、イメージとして、感情を肯定的に捉えていな
いんです。

 みなさんはどうでしょうか。
 
 けれどもそんな激しい感情やマイナス感情は、良くも悪くも、感情
のごく一面でしかありません。
 むしろ、そんなふうに捉えて、自分の感情を抑えようとする人ほど、
感情的かつ直情的、短絡的な行動に走りがちです。
 
 もしあなたが、感情的に混乱し、悩み苦しんでいるとしたら、それ
は感情を抑えながら「思考」で処理しようとしているからです。
 堂々巡りの時は、「思考」で問題を解決することはできません。
 それが解決しないのは、あなたの感情が、それを受け入れていない
からなのです。

 ですから、感情を抑えようとしても、無意味です。
 どんなに感情を無視しようとしても、自覚があろうがなかろうが、
誰もが「感情を基準」にして生きています。

 確かに、感情を抑えれば、心の傷みに鈍感になります。
 感情を抑えたり、感情を感じることが鈍感になっていれば、心の傷
みを、少しの間だけやり過ごすことができるかも知れません。

 けれども顕在意識では感じなくても、その傷みは、心の奥に蓄積さ
れます。それが飽和状態になれば、それが外に向かって噴き出すか、
自分に向かって自分を攻撃するかになるでしょう。

 感情が鈍感になれば、プラス感情に対しても鈍感になってしまいま
す。
 感情にフタをしたり、抑えたり、無視をしていては、生きがい、や
りがい、好奇心、関心、興味といったものは生まれ得ません。

 喜びを喜びとして感じることができるのは、五感や感覚や感情があ
るからです。
 それが満足感、充足感、充実感をもたらしてくれるのです。
 
 それだけではありません。
 感情を解放すると、それにつれて、あなたの才能も重いクサリから
解き放たれます。(つづく)