マイナス環境の中にいるとき(2)

前回の続きです。
 応用編で表面的なスキルをお伝えするのは簡単ですが、それよりも、
“土台づくり”からはじめてみませんか。

 どんな場合もそうですが、基本になるのは自分の感情と意志です。
 それを基準にして、
「その場所に、私がいたいかどうか」
 を自分に問うてみましょう。

 これは本でいうなら、「大見出し」です。

「大見出し」としての具体的な行動としては、
・そこの環境を抜け出すか
・そこに踏みとどまるか
 二者択一の選択しかありません。

 とはいえ、
「そんなふうに簡単に、その環境を“捨てる、捨てない”と割り切れ
るものじゃないだろう」
 確かにそうです。

 けれども、
「ここが嫌だから、抜け出したい。けれども、できない」
 こんな思考をすればするほど、辛くなる一方でしょう。
 自分の決断(意志)が曖昧であればあるほど、そこに居るのが苦し
くなります。

 例えば、嫌だ嫌だと愚痴をこぼしながら、そこに居ることもできま
す。
 それは、「愚痴をこぼす」ことで、そこに居られる。つまり、「愚
痴をこぼす」という方法で、バランスをとっているからこそ、そこに
居られるというわけです。だからその人にとっては、「愚痴」は、必
須アイテムです。

 こんなとき、
「愚痴をこぼす私は、情けない」
 と自分を責めながら愚痴をこぼすか。
「私は、愚痴をこぼすことで、バランスをとっているのだ。愚痴は必
要なんだ」
 と自覚して、愚痴をこぼすか。

 心の中で、この言葉を呟いてみると、どんな響きを感じるでしょう
か。それを実感してみてください。

 どちらが楽ですか。無論、後者でしょう。
 どうしてでしょうか。
 それは、「愚痴をこぼす自分自身を認めることができる」状態にな
るからです。(つづく)