マイナス環境の中にいるとき(8)
頭で考えて何とかしようと足掻いているとき、本当は、
「自分の意志をもって主張する、行動するのが怖い」
というのが、心の奥に潜んでいます。
否定されたり、拒否されたり、嫌われたりして、傷つくよりは、ま
だ、一人で耐えていたほうがいい。
しかし、そんな恐れが起こるのは、
「行動の仕方がわからないからだ」
(前回は、こんな話をしました。)
そこで、次のテーマとなるは、その「具体性」です。
具体的にできるところからやってみる。これが大事です。
自分の言動には、「信念→思考→感情→行動」の連鎖があります。
我々は、無目的に、無秩序に行動しているつもりでも、この信念に
則った動きをしています。だから、過去を振り返ると、同じこと、似
たような問題で悩んでしまうのです。
つまり我々は、気づかないけれども同じパターンで動いているとい
うことです。
例えば、あなたは、職場で、
「そこに居るのが辛い、辛い」
と、自分の「辛い」気分に囚われて過ごしています。
気分に囚われているから、具体的なところまで観察する余裕がない。
当然のことながら、自分のどこを、どう変えたらいいか解らない。
これがあなたの、今までのパターンだったとします。
そのパターンから脱出するためには、なぜ辛いかを、もっと具体的
な場面で気づいていく必要があります。
「自分が、どういう場面で、辛くなっているのか」
例えば、
「私は職場で、みんなの輪の中に入りたいのに、入ることができない
ので辛いんです」
具体的というのは、こういうことでしょうか。
いいえ、違います。
まだこれでは、具体的とは言えません。
「お昼休みのときも、仕事の休憩のときも、ミーティングのときも、
終業後の飲み会のときも」
これは、「あのときも、このときも、この前のときも、昨日も」と
辛い場面を一緒くたにして考えています。
こんな把握の仕方では、単に「人と一緒にいるとき辛くなる」とい
うのが解るだけで、解決にまでつながりません。
こんな大ざっぱな捉え方しかできないと、「具体的な行動方法が解
らない」のは当たり前のことなのです。(つづく)