マイナスの環境でどうするか

「マイナス環境」の中でどうするか。
 それが大きなテーマだとしても、社会レベルであっても、会社レベ
ルであっても、家族レベルであっても、友人レベルであっても、原則
は「具体的な一場面」で、あなたがどう意志を持ち、行動するかであ
る。

 たびたび繰り返しているが、
・具体的な場面の中に、解決方法がある。
・どんな問題も、相似形(フラクタル)で起こっている。

 だからこそ、日常が重要なのである。

 その環境や相手を変えようとして、あがけばあがくほど、「他者中
心」になって、自分自身が苦しくなるだけである。

 あくまでも、そんな環境の中で自分はどうするか。
 それは、「自分を育てるために」という発想をしたい。
 さらにそれが「争わない」でできれば、なおさら楽だろう。

 「自分中心」でいると、争わないですむ。
 「小さな感情」を大事にできるほど、争わないですむ。

 例えば、あなたが、相手が怖くて何も言えない。
 そのときあなたは、どんな態度をとっているだろうか。相手の態度
より、あなた自身の態度である。

 あなた自身が、自分の態度を決めれば、その相手が腹黒かろうが、
善意の人であろうが、たいして変わらない。

 例えば、あなたが、そのとき、相手に対して、
・うなだれて、あいまいな態度と声で「はい」と言っている。
・視線を逸らせて、脅えながら「はい」と言っている。
・「相手を傷つけちゃいけない」と気にしながら言っている。
・相手を避ける気持ちで「はい」と言っている。

 もしこんなあなたがいるとしたら、顔をあげて正面をみて、視線を
合わせて「はい」と言う。このとき、あなたの「はい」が気持ちよく
言えれば言えるほど、相手の態度は、次回から微妙に変わる。

 言葉は巧みでなくてもいい。
 この「はい」が、あなたが「意志を持った行動」であればいいだけ
だ。

 あなたのその意識が相手に伝わって、その瞬間から、相手はあなた
に強く出ることが、できなくなる。
 ウソか本当か、実際に、試していただきたい。

 おまけとして。
 明らかな悪意をもった暴言や厭味を相手が言ったとき、
「はいっ?」
 と聞き返す。

 これは、「えっ? あなたは、いま何とおっしゃったんですか。あ
なたは、その暴言を、私の前で、もう一度、言うことができますか。
私を侮辱することは、許しませんよ」という思いを込めた、「意志を
持った行動」の「はい」である。

 相手があなたに悪意を抱いているとしても、あなたがこんな気持ち
で「はい」を言うことができれば、その悪意は、ブーメランのように、
相手にもどっていく。

(マイナス環境の中での具体的な対応策を述べるときりがありません
が、その方法は、「自己解決能力を育てる方法」の小冊子や、PHP
の「短所を長所に変える話し方」にも書いていますので参考にしてく
ださい。)