「不安・焦り」と「願望達成」(後)

 あなたが「願望達成」したいと強く願うと、それは叶わない。
 なぜなのか。
 それは、「強く願う」と、「負の願い」(叶わないかも知れないという恐れ)となるからである。

《「〇〇を達成する」には、それを願っているときの感覚。これが重要である。》

 もっと具体的な例で説明しよう。
 例えば、
「ご飯を食べたいッ!」
 これは「食べたい」ことを強烈に意識している。相手をたたき伏せてでも、打ちのめしてでも、奪ってでも、なんとしてでも食べたいッ。朝青龍さんのような「食べたいッ」である。
 この方法も、必死であるために、願いは「叶う」。
 勝ち進んでいる意識のときは、その勢いで達成できる。
 けれども結構疲れる。
 よほどのハングリー精神でなければ、続かないだろう。

 また、強引だから、どこかで、その反動が必ず自分に返ってくる。
 この「反動」が10年20年といった長期の単位だから、気づかないこともしばしばである。これが、私がよく言っている「成功して失敗する」パターンである。しかも、その支配性が強ければ強いほど、その反動は激しい。

 もっとも「勝ち進んでいる」意識だったら、いずれにしても達成できるから、まだ納得がいくだろう。

 ところが多くの場合、この「食べたいッ」という「願い方」が、
「食べたいのに“どうして食べられなんだッ”」になっている。
「どうして食べられないんだッ」は、「食べられない」状態を意味する。
 だから、なかなか「食べる」は実現しない。

 こんな感覚を抱きながら「目標成就」を願う人が少なくない。
 「緊張集中の願い方」という言い方もできる。
 しかもこれは、否定的に緊張集中している。

「すでに食べている」イメージ。
 これはイメージの中で、すでに「食べる」が手に入っているから、
「食べる」を実感している。

「これ、食べようっと」。
 これは、「自分がそれを食べることができる」ことをまったく疑っていない。
 イメージとして実感しているのは、もう手の中にある感覚の軽さがある。

 手の中にあって、食べる楽しみや期待を実感している。
 春はもう、すぐそこに来ている。そんな感覚である。
 春が来ることを確信しているから、「いま、できること」をやり続けることができる。
 これは、「リラックス集中」でプラス感覚を実感しながら熱中している状態である。

 こんな軽さで目標を掲げて、今できることに「プラス感覚、プラス感情で熱中する」。
 これが「願望達成」の近道である。

「あなたのやり方ひとつで天国・地獄」で紹介しているのは、まさに「今、できるところからはじめる。傷つかないところ、怖くないところから実行する。確実に成功するところから行動する。
 そして、今やっている瞬間のその“プラス感情”を実感する。
 今やっている瞬間のその“プラス感覚”を味わう。
 その蓄積があなたの言動パターンを根底からくつがえす。
 実践のともなったプラス発想だから、結果もちゃんとついてくる。