正義は相手のためではなく、自分のために(後-3)

(1)意見を言って終わりにする。
(2)自分の主張の「目的」から逸れない。
 前回、前前回では、以上の2つのポイントを述べました。

 3つめのポイントは、
「できるだけ“第一の感情”で言う」ことです。

「第一の感情」というのは、本でもたびたび書いているように、自分の本当の気持ちです。
「第二の感情」は、他者を支配、操作するための感情です。

 感覚で言うと、「第一の感情」を言葉で表現すると、心と身体の緊張が解けてリラックスします。
「第一の感情」であれば、あるほど、満足感に満たされます。
 それは、感情エネルギーの解放になるからです。
 まず、自分自身が、「第一の感情」で表現すること自体が、とても気持ちがよく、満足度が高いものです。
 だから、仮に相手がわかってくれないとしても、「第一の感情で表現する」ことそのものが、自分の心の癒しにつながります。
 この表現の目的は、「自分のプロセスを大事にする」というところに焦点が当たっています。

 他方「第二の感情」は、相手を支配、操作するものであるために、満足しません。
 なぜなら、この表現の目的は、「相手を自分の思い通りに動かす」という結果に焦点が当たっているからです。

 一見、
「自分の思った通りの結果が、それで得られるのなら、こっちのほうがいいじゃないか」
 そう思うかも知れません。
 けれども、「お前は、お前は」と、絶えず「第二の感情」を発している人の心の中はどうでしょう。絶えず、不平不満に晒されているのではないでしょうか。

 自分の立場としては、この「1、2、3」で努力してみましょう。
 それでも自分との心の距離が縮まらなかったら、後は、あなたがその人と「付き合うかどうか」という「選択の問題」になるでしょう。

 会社においては、仮にあなたが正しくて、それでも会社がそれを修正しないとしたら、それが会社の運命であると、割り切るしかないでしょう。

 いずれにしても、相手が変わらないことも、会社の側が環境を良くしようと努力しないことも、それは「相手が自分で選ぶこと」だと相手の自由を認めることでしょう。そして、そんな会社にいるかどうかが、自分の選択の問題となります。