肯定的な言葉が聞こえない

 それはすばらしいですね。
 よく気づきましたね。
 自分を高く評価してくださいね。
 いつもありがとう。
 この前はありがとうございました。
 1パーセントの進歩でいいんです。
 前と比べて、できたところを評価しましょう。
 自分にもっとプラスの言葉を投げかけましょう。
 この前よりは、ずいぶん変わりましたよ。
 それでいいんですよ。
 それで充分じゃないでしょうか。
 そう言っていただけると、嬉しいですね。
 あなたの変化をみていると、嬉しくなります。

 以上(まだまだ、たくさんあると思います)は、私がセミナーやカウンセリングなどで定番として言っている言葉です。

 セッションをしているとき、個人であれ、グループであれ、その方々の、どこが「自分をつらくさせているのか」は、当然、私には見えています。個人の場合は特に、その点をカウセリングしていくのが目標ですから。
 あるいは、どこを変えていったほうがいいかを、コミュニケーションを取りながら、絞っていきます。

 大ざっぱなパターン分類でいえば、最初からわかっています。
 私自身が「自分中心」感覚で感じる、自分自身の「相手の感じ」も、信頼しています。こちらのほうの情報のほうが、はるかに精密だからです。

 パターン分類よりは、よりこちらの感覚のほうを重視しています。
 
 でも「自己成長セミナー」等でも、絶えず言っているように、マイナス面ばかりに焦点を当てて、マイナス面をなんとかしようとしても、なかなか変わらないでしょう。 

 だから、「自分をつらくさせているマイナス要因、要素」は、わかっていながら、それを変えるのは長い目標として、私は、上記の言葉をたくさん、投げかけています。

 ところが、悩んでいる人にとって、私が認識している以上に、私のこんなメッセージが、相手には届いていないんだと、気づく。

 自分の中に競争意識や争う気持ちがあって、
「相手が怖い」
「相手が私を傷つける」
 などと警戒する気持ちや怯える気持ちが強いと、意識の眼は、「相手が、自分をどうやって傷つけるか」という点のところに集中しがちです。

 そのために、まず、「相手の肯定的な言葉」が聞こえず、頭上を素通りしていく。
 聞こえても、ウソっぽく聞こえる。自分のこととは感じられない。
 電光盤のように、文字だけが流れていく。

 自分の心境がそうでないから、相手が肯定的な言葉を言ったとしても、心に残らない、響かない。
 
 こんな経験がある人は、意識的に、プラスの面を拾うレッスンをしてほしいものです。まず、馴染まなくても、それに気づくことが第一です。

 即効性ワークを受講した人は、5章、6章を続けて、自分の中にインプットしましょう。

 そこでやっぱり「自分中心」に戻ります。
 私自身が、肯定的言葉を遣っていると、私自身が、いっそう相手から解放されます。
 仮に相手から悪意が感じられたとしても、それに気づいていても、そこに焦点が深く当たらなくなります(もちろん、傷つきますが、傷つき方が浅い)。
 プラスの言葉は、相手とのマイナス関係から、自分を引き離す、あるいは解放するものでもあるんですね。