精神の好転反応
〇〇しなければならないのに、できない。〇〇したいけれども、できない。
こんな状態のときは、この「できない」のほうが、ほんとうの自分自身です。しかもそれは、できないのではなくて、したくないのだ、と。
「でも、ずっと、こんな調子でいると、いつになったら……」
とあなたは思うかもしれませんが、むしろ、身体がそうであるなら、自分では、自覚がなくても、「心がとても傷ついている。心がとても疲れている」のだと、認識する方が、大事でしょう。
たとえば、とてもひどい虐待を受けた人、過酷な人生を歩いてきた人は、感情を鈍感にしなければ、生きてこれませんでした。
だから、とても感情に鈍感です。
感情に鈍感ということは、傷つけられても感じないということです。
これを、「強い」と思う人もいるかもしれません。
事実、そんな人は、過去においては、
「でも、昔の私は怖いもの知らずで、どんなことでも平気でやってました」
と言います。
「だから、こんな状態になるはずがない」と。
どんなに平気であっても、傷そのものが、消えてなくなっているわけではありません。
だから、感情的には感じられないけれども、苦しい。
自分中心になると、傷だらけのまま化石のようになっていた感情に、息が吹き込まれます。
その課程で、今度は、何もしたくない。
訳もなく、感情が乱れる。
なぜか、悲しくて悲しくてしかたがない。
すぐに、動揺してしまう。
特にどこかが悪いというわけではないのに、体調が、なぜか、すぐれない。
頭が割れるように痛い。
特定の部分の不調が起こる。
といった具合に、次々に心理的、肉体的トラブルが起こります。
「えっ? 私は努力して変わったはずなのに。最近、調子が良くなってきたと思っていたのに。精神的に元気になってきたはずだったのに。
また、逆戻りしたみたい。こんなに感情が乱れるなんて、逆にもっと悪くなったみたい」
自分中心になる努力をしている課程で、こんなことが起こったとしたら……。
これが、“精神の好転反応”です。
さまざまな肉体的疾患が治るとき、個人差はあるものの、必ず好転反応が起こるように。
過去に「平気で傷ついていない」と思っていたことでも、実は傷つくことに鈍感だっただけで、その痛みのエネルギーは、蓄積されたままになっています。
精神の好転反応が起こって、蓄積していた感情のエネルギーが溶け始めると、あたかも時間が逆戻りして、そのときの痛みを、「いま感じる」ということが起こるのです。
ですから、決して、恐れないでください。身体の細胞が精神レベルから浄化され、生まれ変わっているのです。