本物の自信

「自信がもてたら、〇〇します」
「自信がないから、できないんです」

 物事を大ざっぱにとらえる人ほど、こんなふうに思う。

 そんな人ほど、「自分のできたところ」が眼に入らない。
「できて当たり前」と思う。

 できて当たり前ということは、決して、ない。

 自信というのは「自己信頼」である。

 相手から称賛されたり、注目されなければ「自分がすばらしい」と感じられないのは、“自信”とは言わない。
 そんな自信は、脆く壊れやすい。
 それは本物の自信ではないからだ。

 本物の自信をつけるために……、
 「できて当たり前」のところに眼を向けてほしい。

 自分を無価値だと思っている人に、こう言ったことがある。
 できて当たり前ということでは、
「あなたが、オールイズワンに来て、カウンセリングを受けるということだけでも、すごいことなんですよ」
「どうしてですか」 
 と、その人は聞いた。

「だって、自分中心って、自分と向き合うことでもあるのね。
 自分と向き合うというのは、どんな自分にもOKを出すということだから。
 自分を責めたり、相手を責めたり、依存したままでいたい人は、来れないんだもの。
 自分の弱さを認めないと、向き合えないでしょう。
 罪悪感が強いと、自分を責めたくなるから、向き合えないでしょう」
 私がそう言うと、その人は、曇っていた表情がパッと明るく輝いて
「そうかっ。それを聞いて、すごく嬉しい」
 そしてこう言った。
「私が聞いたら嬉しいから、みんなもきっと嬉しいと思いますよ。ぜひ、それをみんなに言ってください」

 そう。
 ほんのちょっとだけ、自分中心になる。
 その蓄積が、自信なのです。