仕事ができない、貯金がなくなる

 今、仕事をしなければならないのに、「仕事がない。あるいは、仕事をしたくない」。
「仕事ができない」も、言い方を変えているだけで、同じです。
 そんな感じになっている人たちは、自分の貯金を突き崩すのを恐れます。

 生活するためにはお金が必要なので、もちろん、お金がなくなっていくのが心配なのは、当然のことでしょう。

 けれども、「今、仕事がない。あるいは、仕事をしたくない。できない」人たちに共通するのが、
「これは、なけなしのお金だから、遣うわけにはいかない」
 と、それを握りしめて離さない意識です。

 意識で言うと、
「私自身が、自分のためにお金を遣ってはいけない」
 これは、換言すると、
「私は、甘えてはいけない」
 つまり、
「私は、私を愛してはいけない」
 に通じるものがあります。

 そんなふうに恐れている人は、その「定額」を突き崩すことを恐れます。

 そんなとき、私は、その定額を突き崩すことを、すすめることがあります。

 もちろん、同時に「生きていく道」を具体的に確保する方向でも進めていくので、勘違いしないでくださいね。

 その「定額」を突き崩して、自分のために遣う。
 この「自分のために遣う」意識が、重要なのです。

 自分のほしいもの。買いたいもの。
 自分にとって、必要なものに遣う。

 仮に、それが無駄金でも、捨て銭となっても、いいのです。

 大事なのは、「自分を愛することにオーケーを出す」ために遣うのですから。

「自分を愛する行為」を学ぶためです。

 そんな意識で「定額」を突き崩したり、なけなしのお金を遣うとき、自分の中に変化が起こります。

 あるいは、どうしても遣うのが不安、という場合は、
・自分のために、100のうちから、自分が安心できる額を確保する。
・自分のために、残りの額を、自分を愛することを学ぶために遣う。
 というふうに分けます。

 これは、自己管理能力を育てることにもなります。
 こんな意識が、信じられない人もいるかも知れませんが、「働きたい」という気持ちを育ててもいくのです。

 お金が入る人と、入らない人との意識の違いが、ここでも、ちょっとわかるのではないでしょうか。
 自分を愛せない人たちは、お金を自分のために遣うことも許していないんですね。