カウンセリングでは変わらないと信じている人たち(2)

 無意識の視点から言うと、変な話だが、「治ったら、非常に困る」と思っている。

 そこには「治ったら、非常に困る」理由が潜んでいる。

 もちろん、それは誤った信念や強い思い込みによるものだが、その想いが、その人にとっては、真実のごとくに根深く自分の心の底に巣くっている。

 「治ったら、非常に困る」の一例。
 治ったら、やりたくない仕事をしなければならない。
 行きたくない学校に行かなければならない。
 やりたくないことをしないでいる理由がなくなってしまう。
 等々。

 つまり「しなければならない」の思考パターンに陥ってると、こんな発想をする。
 こんな発想から、「治ったら困る」と決めるから、治らない。否、治りたくない。

 無意識からも「治りたい」になるには、
 やりたくなかったら、しない自由を、自分が心から認められる。
 行きたくなかったら、行かない自由を、自分が心から認められる。
 もちろん、したかったら、する自由を、自分が心から認められる。

 こんな「自由」を自分が自分に、心から認められたときに「治ってもいい」となる。

 とはいえ、義務や強制ではなくて、「感情を基準にした」決断でいいんだと、経験レベル、実感レベルで、それを自分に認めるのは、支配性・依存性の強さに比例してむずかしいのも、私は知っている。

 頭では理解できても、心、つまり感情レベルで、それが実感できない。

 感情レベルで実感するには、どうしても経験が必要となる。
 だから私は、いつも、馴染むのも繰り返しの「レッスン」だと言うのである。(おわり)