「恋人ができない」ではなく「付き合うのが怖い」

「なかなか恋人ができない」
「素敵な人がいれば、すぐにでも付き合いたいけれども、なかなかそんな人と出会わないのです」
 などと悩んでいる人は少なくないでしょう。

 もしその悩みを解決するとしたら、そもそも、「なかなか、できない」
「なかなか、そんな人と出会わない」という“つぶやき方”が適切ではありません。
 なぜならそれは、あなた自身が、心から「恋人と付き合いたい」と思っていないからなのです。
 もちろんあなたは、心から恋人が欲しい、と願っているつもりです。

 頭では「理想の恋人」を思い描き、イメージの中で付き合うこともできます。
 けれどもそれは、飽くまでもイメージの世界での話です。
 理想(イメージ)と、現実(実感)とはまったく異なります。

 例えばあなたは、イメージの中では恋人と楽しく会話をしています。
 けれども、実際のあなたは、どうでしょうか。

 恋人と一緒にいるとき、
「一緒にいたいけれども、いると疲れる」
「好きだけれども、息苦しい」
「何を話していいか、わからない」
 などと感じていないでしょうか。

 例えば、好きな相手と一緒に長時間も、あるいは何泊も一緒にいたとしたら、あなたはどんな気持ちになるでしょうか。楽しいだろうな、と思うのはイメージです。
 長時間、電車やバスと一緒です。食事も一緒。夜はすっぴんです。どんな会話をしますか。沈黙が続いたら、どうしましょう。相手が不機嫌そうな顔をしていたらどうしますか。あなたが疲れたときは、どうしましょうか。

 中には、「恋人は絶対に容姿が素敵じゃなければならない」と、それを絶対条件にしている人がいます。ところが、実際に、そんな素敵な相手が、自分の目の前に現れたら、付き合うどころか、相手にされないのではないかと思って、
「声を掛けるのも怖い」
 となったりするのです。

「無意識の視点」で言うと、こんなふうにイメージで楽しく恋人と一緒にいるより、現実に抱く恐れの実感のほうが、本物です。
 だから無意識は、「なかなか恋人ができない」状態にして、あなたの恐れを回避させてくれているのです。

 そんな恐れが解消できて「付き合いたい」という感情が、「付き合うのが怖い」という恐れの分量よりも多くなったときに、まだ見ぬ恋人を、あなたが引き寄せるのです。