恋人の条件

「なかなか恋人ができない」のはなぜなのかという話をしました。

 恋人の条件について、若いときは理想が高いけれども、だんだん年齢が上がるにつれて、その条件が下がっていくと言いますが、それは理解できることです。

 自分を感じていないと、恋人の条件を高く設定しがちです。理想ですから、どんなに高くても構わないでしょう。
 けれども、年齢が高くなるにつれて「恋人の条件」のランクが下がっていくとしたら、それは、最初から、あなた自身が、それを満たしてくれる相手を望んでいなかった。飽くまでも、それは、実現するはずがないと自分が信じているだけの「理想の恋人」というだけだった、ということになるでしょう。

 逆説的な言い方をすれば、歳をとっても「恋人の条件」のハードルを下げないでいられる人のほうが、その願いが叶う確率は高くなるでしょう。

 ただし。
 ただし、です。

 もしあなたが、いま、無意識のところで、あなたが描く「恋人の条件」を備えている人に“自分がふさわしくない”と思っているとしたらどうでしょうか。

 つまり、あなたは、こんな設定をしている。
・恋人の条件のハードルを下げたくない。
・でも、いまの自分は自信がなくて、そんな相手に自分がふさわしい
 とは思っていない。

 あなたの無意識は、どんな願いでも、寸分違わず、叶えてくれます。

 では、どんな形で?

 それは、あなたが「自分の思い描く恋人の条件」と、あなたの自己イメージが、“経験的な”レベルでの実感と一致したとき、ということになります。

 つまりそれは、「いますぐにその願いが叶う」ではなく、あなたがその理想の恋人にふさわしいと思えるようになる未来。その未来はもしかしたら、5年後かも知れないし、10年後かも知れない。あるいは30年後かも知れない。
 その5年、10年、30年というのは、自分自身が、その人にふさわしい、とあなたが自信をもつに必要な日数、ということなのです。

 その自信は、もちろん、実生活の中でしか、培うことはできません。
 だから、理想を理想で終わらせないためには、一歩、一歩の“いま”が重要なのです。

 恋愛でいえば、あなたが理想とする恋人に「ふさわしい自分になる」ためには、その前に、何度かの恋愛と失恋を繰り返すことになるかも知れません。
 その何度かの恋愛と失恋の中で得る成長が、「ふわさしい自分になる」ための蓄積となる、ということです。

(もっとも、あなたがそんな恋愛を通して、どんどん自己信頼が高くなれば、「理想の恋人」といったものの囚われ方からも解放されていくでしょうね。)