集団同調性バイアス

「人は必ず集団と同じ行動を取りたがる性質がある。つまり、目立った行動をとりたくない。人と違う行動をとりたがらないということだ」
 という記事が、「黄金の金玉を知らないか?」というブログに、載っていました。
 こんな集団心理状態を、「集団同調性バイアス」と呼んでいます。

 2003年2月に韓国で発生した地下鉄火災は、死者192名、重軽傷者148名の大惨事となりました。そのとき「車内には煙が充満しているにもかかわらず、平然(?)と座席に座り続けたままでいる人達が多かった」のだそうです。
(まさに他者中心ですね。)

 こんな集団心理に飲み込まれずに「他がどうしようが、自分の直感だけで逃げる人は全体の4%しかいない」のだそうです。
(つまり心理的に自立できている自分中心“能力”の優れた人たちですね。)

 また、とっさに危険を察知したとき、携帯電話やコンビニなど便利な生活に慣れてしまっている都会人は、田舎暮らしの人に比べて、脳の回路が緊急モードに切り替わって回避行動を取ることができる能力に乏しい、というような話でした。

 もっともな話です。

 自分中心心理学では、こんな心理状態を、“脳のタイプ”で説明することができます。

 自分中心心理学では、どの脳が発達してるかをタイプ別にして、「人間脳タイプ(右脳・左脳)、感情脳タイプ、脳幹タイプ」の4つに分けています。

 このタイプ別に照らし合わせると、自然に触れるチャンスが少なく、人間関係が希薄な情報社会の都会人は、いうなれば左脳タイプです。
 あるいは左脳が特化した人間脳タイプということができます。
 自然の中で育った田舎暮らしの人はその反対です。 現代は情報社会であるために、それなりの情報も行き渡っています。つまり、自然、人間関係、情報と、全脳が調和して働く要素が整っています。

 危機に直面したときに働く統合的な判断力、決断力、行動力といった危機管理能力は、実は、人間脳の働きだけでは発揮できません。
 そんな能力は、すべての脳が協力し合い、それらが立体的に機能してはじめて働くのです。

 危機に直面したときの傾向としては、人間脳タイプは、心も肉体もフリーズしがちです。
 脳幹タイプは、パニックに陥りやすいでしょう。
 すべてが統合的に働く感情脳タイプで、しかも感情が解放されている人ほど、全脳が立体的に機能するために、危機管理能力に優れているでしょう。

 東日本大震災で全校児童の約7割が亡くなってしまった石巻市立大川小学校の悲劇は、どうして起こったのか。
 児童を引率する立場の教諭たちもまた、緊急事態に際しての判断力、決断力,行動力といった対処能力を育てない現代の左脳教育、管理教育の申し子であった。
 もろもろのミスが重なったとはいえ、そんな偏った教育が招いた結果でもある。そんな思いが胸によぎることもあるのです。

 自分を守るためにも「自分中心」になってほしいと言うのは、こういうことなのです。