争わないということ 1
自分中心心理学では、できるだけ「争わないでいられる自分」になりましょうと伝えています。
「争う、争わない」という言葉を遣うと、どうしても、感情的になって暴力的な言動をとったり、口角泡を飛ばして争うようなイメージがあると思います。
けれども果たして、あなたがそうやって争ったとして、問題解決したでしょうか。あるいは、相手が悪かったと謝ってくれたでしょうか。
反対に争うことで、「具体的な問題解決」からは、どんどん遠ざかっていってはいないでしょうか。
どうしてそうなってしまうのでしょうか。
それは、争うことで、どちらも「傷つく」からです。
例えば、あなたがお金を貸したとします。
相手は、なかなか、返してくれません。
お互いに、そのお金のことで、というよりは、お金のことはそっちのけで「相手を責め合う」としたら、傷つけ合うことになります。
その後で、相手が、
「ほら、返すわよ。返せばいいんでしょ」
などと、お金を投げて返してくれたとしても、
「ああ、よかった。ありがとう」
という気持ちにはならないでしょう。
そのときお金はもどったとしても、新たに“別の感情”が作り出されていて、また、争う種が蒔かれたことになるのです。
それに、争っても、決して満足することはありません。
過去を振り返って、心から満足したという経験はありますか?
どんなに相手に勝ったとしても、満足しないのは、誰もが経験しているのではないでしょうか。
普段の生活での争いで、「勝って大満足」などということは、ないのです。
ところで、争わないというのは、決して、「主張しない」ということではありません。 (つづく)