小さな場面で自分を優先する

「小さなことで、話をするのが恥ずかしいのですが」
 という前置きの言葉をよく耳にします。

 自分の気持ちを表現するのはいいことだから、そんな前置きが悪いというわけではありません。
 けれども、実は、この「小さなこと」こそが、重要です。
 なぜなら、そんな小さなことの中に、自分の言動パターンがしっかりとあらわれているからです。

 ですから、小さなことに気づくのは、いいことです。
 むしろ、小さなことに気づいたほうが、早めに手当できるので、問題が大きくなってからようやく気づくよりは、はるかに賢明でしょう。

 いつも自分より人を優先する人は、家族の中でも、ついつい、自分を後回しにしがちです。

 例えば、スーパーで、「家族のための食料」を買っ
ていました。
「あ、これは、夫が好きな物だ」
 で、すぐに手が伸びます。
「あ、これ、子供が大好物だから」
 で買い物かごにいれます。
 そうやって、買っているうちに、
「家計を圧迫しそうだから、私の好きな物は、まあ、
今度でいいかあ~」

 もしあなたが、こんなふうに、つい自分を後回ししていたら、どんな場面においても、あなたは、自分を後回しにしているでしょう。

 一見、夫思い、子供思いの「主婦の鏡」のように見えるでしょうが、果たしてそうでしょうか。
 実際に、「相手ばかり優先してきた人」は、いま、幸せですか。

 もし、そんな“自分を犠牲にする癖”がついていて、それをつらいと思うなら、こんな小さな場面から「私を優先する」を始めましょう。

 先ず、最初に、自分の好きな物を、かごの中に入れ
ましょう。

 これをレッスンするだけで、人を優先してしまう癖を
改善することができるのです。