仲良くしたいのに、どうして(1) 

 さまざまなグループや集団、組織等に属すると、その中の一人として、仲間の人たちとの交流がはじまります。

 例えばあなたが、新参者としてあるグループに入るとしたら、どんな人たちがいるだろうかと期待すると同時に、みんなが仲良くしてくれるだろうか。みんなの輪の中に入ることができるだろうか、と不安になったりもするでしょう。

 あなたはみんなと仲良くしたいので、頑張ります。
 仲間の一人が声を掛けてくれると、嬉しくなります。
 相手が自分を気に入ってくれるようにと、自分のほうからも積極的に働きかけます。

 けれどもしばらくそうやって日にちが経っていくと、自分が期待しているほどの満足感は得られない自分に気づきます。
 自分の中にあるイメージは、
「みんなが私を歓迎してくれて、みんなが私と親しくしてくれている」
 です。

 こんなとき、他者中心の否定的な人は、
「みんなのように、親しくなりたい。でも、なかなか仲間に入れない」
「私のどこが、いけないんだろう」
 などと悩みはじめるに違いありません。

 しかしこれは、あなたの顕在意識の上でのことです。

「仲良くしてくれない」と悩むあなたは、ますます努力をします。
 それでもやっぱり、あなたは「仲良くしてくれて嬉しい」という満足感が得られません。

 さらにあなたは、努力します。
 けれども、やっぱり、満足できません。
 決して仲間外れになっているわけではありません。
 けれども、あなた自身が満足しないのです。

 どうしてでしょうか。

 それはあなたが、仲良くしたいと「頑張り過ぎる」からです。 (つづく)