仲良くしたいのに、どうして 2
みんなは充分に、あなたと仲良くしてくれています。
けれども、満足しないのは、あなたが努力し過ぎるからです。
例えば、あなたが大事にしているものを相手に与えたら、同質のものかそれ以上のものを返してくれないと満足しないでしょう。他者中心の人ほど、相手が私にしてくれたものの質や量を、「満足の基準」としがちです。
千円渡したら、千円以上に感じられるものを渡してくれたら満足します。けれども、千円以下に感じられるものが返ってきたら、満足しないでしょう。
客観的に観たら、あなたは「充分に、みんなと仲良くしています」。
けれども、あなたが満足しないのは、自分が無理をして仲良くしようと努力しているからです。
本当は、あなたは「それほど仲良くしたいと思ってはいない」かもしれません。
あなたは相手に2千円も、3千円も渡したいわけではありません。
けれどもあなたが、過剰に、一生懸命、相手に渡す。つまり、貢ぐから、その見返りを望んでしまう。だから、満足しないのです。
他者中心の人ほど、そんな「不満の悪循環」にはまっていくでしょう。
こんなとき、自分中心的な発想をするとしたら、
「私は、この中で、どんなつき合いをしたいのか。どれほど親しくなりたいのか」
というふうに、先ず、自分の親しくなりたいレベルをある程度、見極めることができるでしょう。
それ以上は、「私自身が負担に感じる」というふうに、自分自身の“負担に感じないでいられる”範囲を知っています。
無理して仲良くすれば、どこかでひずみが生じてくると知っていますし、また、自分が“負担に感じない”つき合いのほうが、長続きすると知っています。
つまり、「仲良くしたい」からといって、自分が無理をすればするほど、仲良くしてもらっていないように感じていくのは、あなたが過剰に「仲良くしよう」と努力し過ぎるからだと言えるのです。 (おわり)