自分の感情を愛する

 自分を受け入れるということの中でも、とりわけ、「自分の感情を受け入れる」ことができない人が少なくありません。

 そもそも、自分の感情を受け入れようにも、自分の感情に、気づかない人も大勢います。他者中心の人たちは、心が他者に囚われているので尚更でしょう。
 相手に対して腹を立てることはあっても、自分がどんな気持ちになっているかに気づきません。

 例えば、相手に腹が立ったとします。

 このとき、
「私は、相手に腹が立っているのか。そうかあ。腹が立っているよな。無理ないよ」
 などと、自分に向かって言うと、どんな気持ちになるでしょうか。

 人を労るような気持ちで、自分を労るのです。

 そうやって腹が立っていることを認めると、心の変化が起こります。

 腹が立っている自分を認めると、さらに、もっとその奥にある自分の気持ちに気づくかも知れません。

 例えば、
「私は、悲しいんだなあ。あんなことをされて、つらかったんだ。相手の、あんな態度に傷ついていたんだ」
 などと、自分の本当の気持ちに気づくかも知れません。

 自分の本当の気持ちや感情に気づくと、心がホッとします。
 肉体の緊張も緩みます。

 どうしてそうなるのでしょうか。

 それは、あなたが「自分を愛した」からです。

「私の感情を認める」というのは、「自分の感情を愛する」ということです。

 だから、楽になるのです。

 心が楽になる。
 心が軽くなる。
 心がプラスの気持ちで満たされる。

 そんな状態になるのは、すべて、「私が私を愛することができた」という瞬間であるとも言えるのです。