できた範囲が、自分の「できる範囲」
試験勉強でも仕事でも、どんなに「ここまでやっておこう」と計画を立てても、それをやり終えることができないことがある。
できないと、すぐに、
「また、私はできなかった」
「私はダメな奴だ」
などと、自分を責めてしまいがちです。
けれども、そんな状況を無意識の視点からみると、自分ができた量が、自分にとっての「適切な量」だと思ったほうがいいでしょう。
一つは、なかなか進まないのは、自分がそれを「したくないから」であることは、わかっていると思います。
好きであれば、何をさしおいてでもやるでしょう。
もし、「したくない」というのであれば、その「したくない」理由を探してみるのも一法です。
「もともとしたくないことだから、終わらなかった」
そうであるなら、それをやめてみたらどうなるのでしょうか。
「したくないわけではない」としたら、どうしてしたくなくなったのか。
もしかしたら、それは合間に休憩を入れれば、できたかも知れません。
分量を減らせば、できたかも知れません。
ペースを落として期間を延ばせば、できたかも知れません。
「したくないけれども、しなければならない」
と思っているとしたら、どうでしょうか。
もしそうだとしたら、それは「本当にしなければならないこと」なのかどうかは、改めて考えてみるのもいいでしょう。
そうすると、案外、それは「しなければならないことではない」ことだと気づくかも知れません。
さらにここが自分中心心理学のもっとも面白い捉え方です。
自分中心心理学では、「無意識は未来も知っている」というふうに捉えています。
もちろんこれは、私の長年の体験的なことから導き出した仮説です。
一般的な心理学の範囲で考えても、無意識が、さまざまなデータを駆使して未来を予測することは、朝飯前でしょう。
その無意識の観点からすると、それを計画的にやり終えることができなかったとしたら、もしかしたら、自分の未来において、「それは必要なかった」ということになることを、既に知っているからなのかも知れません。
あるいはそれは、まだ、自分にとって「まだ、早い」からなのかも知れません。
だから、できないからといって自分をむやみに責めたり悔やんだりするよりは、できた範囲が、自分の「できる範囲」と思ってほしいのです。