「いますぐに」という事態になるのはどうしてか
ありがたいことに、「自分中心」の概念が、全国に広まりつつあります。
ただ、そのために、いまカウンセリング予約が多少混んでいて、ご希望の方にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ありません。
予約が先になってしまうと、待っている間に解決してしまうので、必要なくなったということで、キャンセルされる方が出てくるのも当然のことだと思います。
また、中には、とりあえず予約しておけば何か起こったときに安心するから、という気持ちで予約される方もいます。
そういう方は逆に、予約の日が近づいてくると、
「何となく行きたくない。なんとなく怖い」
あるいは、
「苦しいけれども何を相談したらいいか、わからない」
といったことで、キャンセルするという気持ちも理解できます。
こんな人たちは、まだ「自分の心の傷みを癒す必要がある」段階です。
いまのところは、「いますぐに」というご希望に応えられない私自身の言い訳も入っているかと思いますので、ご勘弁を。
あるとき、
「予約の日を待っているうちに問題が解決してしまったので、キャンセルしようかと思っていましたが、せっかく予約したので、来ました」
と言った人がいました。
そう思える人は、無意識のところで、すでに自分が変わることにOKを出している人です。
自分中心心理学は、悩みや諸々の問題を解決するためだけの心理学ではありません。
私自身は、自分中心になって、問題解決したら、さらに、もっともっと幸せになる。もっともっと願望達成できる。そんな自分になってもらいたい。自分の欲求や願望を最短コースで達成できるのが自分中心心理学だと思っています。
最近、会社を経営している方々、指導的立場になる方々の来所が増えています。
個人セッションでセミナーをすすめていくと、不躾な言い方を許していただきたいのですが、
「よくこれで、会社経営が成り立つなあ」
と、しばしば驚かされます。
「長年やり過ごしてきた問題が、いま、そうやって大きくなっているのですよ」
なんて、内心思ってしまいます。
私がそう思って呆れてしまうほど、状況把握すらできていない、ということも少なくないのです。
状況把握ができなければ、どうにかそのときの問題は解決できたとしても、また、同じことが起こるでしょう。
しかも、次に起こるときには、さらにエスカレートした形で、という可能性が高くなります。
こんな視点からみると、
「(一見)問題解決できたから、もう相談する必要ない」
という意識でやり過ごすのは、もったいない、と私は思ってしまいます。
なにがもったいないのか。
それは、せっかく「問題やトラブルが起こったのに」ということです。
そのトラブルの中に、未来が発展する種が隠れているからです。
どうにもならないほど自分を追い詰めてしまうような事態に陥ってしまうのは、何が起こっているかが見えないからです。
見えていれば、早めに対処できます。
早めに対処できれば、「追い詰められる」というような大きな問題も起こらなくなるでしょう。
なぜなら、大きな問題も小さな問題も、パターンは同じだからです。
もしその問題が解決したというのであれば、
どんなふうに解決したのか。
どんな解決方法をとったか。
それを検証し精査すれば、それが本当に適切だったのか。それとも、どうにかそのときはうまくいった、というレベルなのかが見えてきます。
「どうにか」という場合だったら、未来においても、同じことが起こるでしょう。そのときは、同じやり方をしていても「解決できない」という可能性が高くなります。
「いますぐに」という思いについて、正直言うと、学ぶのが楽しいから「今すぐに」という期待の気持ちであれば素晴らしいのですが、切羽詰まった気持ち、すがる気持ちで「いますぐに」という思いが募ってしまうとしたら、その「いますぐに」という思いのほうが大きな問題です。
なぜなら、どうして「いますぐに」と思ってしまうほど、切羽詰まってしまったのか。その理由を考えればわかるでしょう。
それは、
「早めに対処できなかった。早めに動くことができなかった」
あるいは、
「気づかないうちに問題が大きくなっていた」
ということだからです。
つまり、
「早めに気づき、また、その対処方法やスキルを知っていれば、そんな大きな問題とならないうちに、善処できただろう」
ということだからです。
自分中心にならなければ、何が起こっているのが見えてきません。
見えなければ、解決するにも、どこをどう改善したらいいかのすら、わからないでしょう。
しかも、問題が起こったとき、それを自分中心的に解決できれば、その問題の種が、反転して、今度は、「自分の未来を切り開く」種になっていきます。
だから、この2点においても、時間をかけて「自分中心の生き方」を学んだほうがいいのではないかと、提案させていただきます。