お金持ちであり続けられる人の意識 2

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 一気に何千万と稼げたとしても、その一回だけで一生、やっていくことはできません。

 むしろ、そんな形でお金を得たとしたら、どんな気持ちになるでしょうか。
 大金が入りました。
 けれども、それは、今回限りです。

 そのあと、あまり稼ぐことができなければ、それをやり繰りしながら生活していくことになります。

 通帳を見ながら、年々減っていく額にため息をつくかもしれません。
 減っていくことを恐れるかもしれまません。

 減っていくことを恐れていると、それが「思考」のベースとなります。
 どういうことか、わかるでしょうか。

 恐怖もそうです。不安や焦りもそうです。罪悪感もそうです。
 いずれしても、マイナス意識をベースにすれば、そこから思考がはじまります。

 もちろん、マイナス意識ですから、どんなに「よいアイデア」が浮かんだつもりでいても、そうでない確率のほうが遙かに高いでしょう。

 そのお金を何かに投資して儲けようと考えたとしても、マイナス意識をベースにしていれば、考えつくもの、目に見えるものも、その意識に合ったものに引き寄せられるでしょう。

 いつもセミナー等で話をしているのですが、自分にある根底の意識から思考、感情、行動というのは、自分で自覚していないと、自動的に選択していきます。
 そのために、行動も、マイナスの行動となってしまいがちなのです。

 その後は、もう、言わずもがなですね。

「毎年、継続的に1000万円」というと、
「わあ〜、できるかなあ」
 そんな不安や恐れを抱きたくないから、
「一気に大金が転がり込んできたらいいのになあ」
 と、つまり一回で決着をつけようとする、そんな意識の中には、自分では気づかなくても、恐れが隠れています。

 お金を稼ぐことを恐れていれば、その恐れが「形」になるでしょう。

 継続的に稼げるお金持ちになるか、お金持ちになれないのか差は、一つは、この恐怖です。

 そんな「恐れ」から自分を解放させるには、どれだけ「いま」に焦点を当てることができるか、の一言に尽きます。

 いま、これをしていて、楽しい。
 いま、この作業をしていて、面白い。
 いま、食事をしていて、美味しい。
 いま、したくないからそれを中断して、一息できてよかった。

 こんなふうに、継続的に稼ぐことができるお金持ちになるには、いま、やっていることの“充実感”をどれだけ増やすことができるのか。
 その分だけ、恐怖の分量が減ります。
 それに尽きるのです。 (おわり)