「なんとかなる」という気持ち
私は「感情」は抑えるものでもコントロールするものでもなく、「情報」という捉え方をしています。サンマークの本でも書いていますが、感情を情報としたほうが、はるかに物事はスムーズに進みます。
大きな決断を迫られたとき、
「してみれば、なんとかなるだろう」
という気持ちから決めてしまったことはないでしょうか。
例えば、
「転職して新しい職場になれば、なんとかなるだろう」
「結婚してみれば、なんとかなるだろう」
子供は生んでみれば「なんとかなる」という言い方は、親が嫁いだ娘によく言う言葉です。
そんな見切り発車のような決断をして、実際に「なんとかなる」場合と、「なんとかならない」場合とがあります。
そんなとき、改めて、そのとき自分が「どんな気持ちで決断をしたんだろうか」と、自分なりに検証してみることがあります。
最低おさえていたいポイントは、2点です。
まず、基本は言うまでもなく「他者中心」か「自分中心か」です。
例えば結婚や仕事で条件がいいということだけに囚われて決断するとしたら、自分の気持ちを見ていないでしょう。
どんなに条件がよくても、自分の気持ちにそぐわない選択は、その後で、問題が起こる確率が高いでしょう。
なぜなら、どんなに魅力的な条件であったとしても、自分の心に適っていなければ、無意識に「魅力的な条件」よりも「自分の心」のほうを選択していくからです。
もっと詳しく深く理由を知りたいという方は、サンマーク出版から発刊された新刊をごらんください。意識の凄さに驚くに違いありません。
次に検証するのは、自分の気持ちを見たとき、どんな気持ちでそれを選択したのか?
自分の“いま”の気持ちが「プラスだったのか。マイナスだったのか」。
例えば、
「この会社はイヤでイヤでたまらない。こんな会社でなければどこでもいい」
という、逃げるような気持ちで転職したとしたらどうでしょうか。
このとき、自分の心の大半は「イヤ」という感情で占められています。
自分の気持ちは、転職先のほうには向いていません。
その勢いで次の会社を探そうとすれば、マイナスの感情を引きずっているために、
「早く探さないと、収入が途絶えてしまう」
「いま探さないと、雇ってもらえないかもしれない」
といった不安や焦りや恐れの気持ちが生まれやすくなるでしょう。
そんな気持ちが、次の選択に影響を与えます。
では、そんな不安や焦りや恐れなしに、「こんな仕事したい」という建設的な気持ちで探している場合はどうでしょうか。
もっともそれは、「こんな会社がイヤでイヤで」という気持ちから辞めてはいけない、と言っているわけではありません。
自分の意識の「どこに重きがあるか」ということが重要なのです。
例えば、
こんな会社はイヤだから、辞めよう。
ああ、辞めてよかった。よかった。
ここでいったん、ひとくぎり。
「ああ、よかった」の気分から、次に転職探しをするとしたら、次の選択も違ってくるでしょう。
同じ「なんとかなるだろう」という呟きであっても、その結果に大きな差が出てくるのは、こんな自分の意識が土台になっているからです。
まさに感情は、「情報」ですね。
是非あなたも、自分を振り返って検証してみてください。面白い発見があるかも知れません。