ほんとうに女のほうが感情的か? 2

 ところで、通説では「男が冷静で、女は感情的だ」と言われます。
 実際のところはどうなのでしょうか。
 あるいは、それが事実だとしたら、どうしてそうなってしまうのでしょうか。  

 私見を述べれば、男性は感情を抑えていて、それを表に出さないだけで、決して冷静であるわけではないというふうに考えています。

 冷静沈着であれば、時として、いきなり感情的なる、ということはないでしょう。

 感情的になる人がいるとしたら、それは、「いつも、我慢しているから」でしょう。
 どちらも我慢しているのですが、女性は、その我慢のスパンが短い。
 男性は、感情を抑えるのに慣れているために、そのスパンが長い。

 そのために、男性は、問題が表面化してきたときには、かなり深刻な状況になっています。
 冷静であるというよりは、感情を抑えているので、そうなるまで対処できなかった、ということです。

 あまりにもスパンが長いと、感情的になることすら忘れて、「諦めモード」の中に突入してしまうのも、男性のほうが多いように思います。

 発想の転換をしていただきたいので、繰り返します。
 サンマークの本でも書いているように、「感情は情報」です。

 感情的になりやすい人ほど、自分が「我慢強い」と思い込んでいます。

 自分は冷静に対処している。相手の話を聞いてやっている。
 けれども、感情的になってしまうのは、相手が反抗するから、仕方なく怒鳴るしかないのだ。そう思っています。

 だから自分が感情的になったときには、
「お前が、俺をそうさせているのだ」
「あなたが、私をそうさせているのよ」
 というふうに思うでしょう。

 男も女も関係なく、「我慢しているつもり」の人ほど、感情的になるでしょう。

 ただし、1から100のメモリでいうと、女性は、20くらいで感情的になる。男性は、感情に対する感度が低いために、50くらいで感情的になる。
 というふうに、自分の感情に気づかない人ほど、メモリが高くなるでしょう。
 しかも、メモリが高いほど、状況は悪化している、ということになるでしょう。

 そういった点では、どんな状況においても、男性のほうが、結果として「追い詰められてしまって後がない状況」になりがちです。

 ですから、感情の感度を鈍くして、冷静であるかのように見える状態は、決して好ましいことではないのです。 (おわり)