声に出すとわかる
自分の意識の根底に戦う意識があると、自分のほうから、戦いの中に入っていきます。
自分では戦うつもりはないと思っているとしても、相手がカチンとくるような態度をとったり、相手を傷つけるような言葉を無自覚に発してしまいます。
単に言い方を知らないということもあります。
とりわけ、“心地よい言い方を知らない”。
自分にとっては、普通の言葉を遣っているつもりであっても、他者にとってはそれが「攻撃」と感じられる言葉だったりするために、相手は否定的な気持ちを抱くでしょう。
それでも相手は、諸々の理由で、それを指摘したりはしないでしょう。
指摘されないから、自分では気づきません。
指摘されたとしても、それを受け入れる下地が育っていれば修正しよう、改善しようと努力するでしょうが、他者と戦っている人は、そんな指摘に対して、逆に反発を覚えるでしょう。
そのために、その人は、永遠に、それに気づかずに、「私は好意的なのに、相手は、自分に反感を抱く」というふうに思い込んでは、他者に否定的感情を抱きつづけるかも知れません。
自分が「いま」どんな意識でいるか。
それに気づくには、自分の言葉の響きを感じることです。
例えば、思考に囚われている人は、
「これでいいんだろうか」
と、常に疑問を抱きます。
しなければならない。したほうがいい。こんな思考から入って行動するために「これでいいんだ」と言えません。
もし、その行動が、自分の欲求から起こした行動であれば、
「できてよかった」
と言うでしょう。
思考に囚われて「しなければならない」からスタートして、
「これでいいんだろうか」
自分の欲求から行動を起こして、
「できてよかった」
この前者と後者を、声を出して読んでみてください。
そして、その響きを“実感”してください。
その違いを感じることができるでしょうか。
「感じられない」という人ほど、繰り返し声を出して言ってみたほうがいいでしょう。
自分が発する言葉の響きを感じることで、
「自分を大事にしているかどうか」がわかります。
その言葉の響きが心地よければ、それが「自分を大事にしている」ということなのです。
そしてまた、それは、相手にとっても「心地よい」響きとなって届くのです。