満足の質が高くなる
自分が変わってきたということの目安の一つとして、「満足の質」が高くなってくる、ということがあります。
意識の世界でいうと、意識の拡大という言い方になるでしょうか。
かなり以前から、自分中心心理学に興味を抱いて通ってきている男性がいます。
彼は、郵便局の配送を担当しています。
時折、配達にまつわる話を聞きます。
例えば受験シーズンは、職場でもっとも緊張する時期の一つです。受験のための願書、受験票、合格通知等々、一つでも届け忘れたり、間違えてしまえばとんでもないことになってしまいます。
受験生の一生にかかわることだという自覚をもって細心の注意を払いながら、絶対に間違いが起こらないように届ける、という話を聞いたことがありました。
私自身も、本の契約書など、重要な書類を送ったりします。
このとき「もし、これが届かなかったら」という思いがよぎったりすることもあります。
こんな話を聞いている影響もあるのかも知れません。
ある郵便物を手にした瞬間、相手がその郵便物を郵便局の窓口に届ける。
集配される。
陸送される。
地域に配送される。
それが郵便受け箱に投函される。
そして、私がそれを手に取る。
その瞬間、郵便物が届くまでの全過程が、まるで映像を見ているかのように一気に浮かび上がって、そのプロセスが手に取るように感じられたとき、自分の手にしている郵便物が、とてつもなく貴重に感じられたことがありました。
昨今は特に、目の前に物はあっても、相手のことが目に見えません。
郵便物が郵便受け箱に入っていれば、ただ、
「あ、何か届いているな」
といった認識で終わることも少なくないでしょう。
自販機から缶ジュースやペットボトルの飲料水が出てくるのは、当たり前ですが、常にそれが出るのは、絶えず誰かが補充しているからです。
その行程を思うと、それさえも、ありがたく感じられます。
こんなふうに一般的に「当たり前のこと」としてやり過ごしているかもしれないことが、次第に、そうではなくなっていきます。
同じ場面を目にしていても、以前の自分と比べると、その感じ方の深さ、広さ、大きさ、その質が高くなっていきます。
同じ場面に一緒にいても、その満足度が違ってきます。
そしてまた、そんな感度を目安にすると、自分の質の向上を、自分が喜ぶことができるでしょう。
こんなふうに、満足度の質はどんどん高めることができるのです。
そしてまた、そんな満足度の質の向上が自分にとってメリットだと言えるのは、同時にそれが形になっていくからです。
実際に「意識が現実を創造する」という公式通りに、本を読んでドンドン良くなっている。切り替えが早くなった。実質的な仕事量は減ったのに、売り上げが伸びた。何となく幸せという実感が続く。人間関係が、何故か変わって円滑になった。疲れなくなった。
「これまでまったく真逆のことをやっていたんですね」
「こんなに簡単でよかったんですか」
といったメールも日に日に増えていて、実に嬉しい限りです。