感情を「情報」とした使い方
自分が決断しようとするとき、周囲に相談すると、
「それは、しておいたほうがいいよ」
と言われたり、
「私だったら、みんなに迷惑を掛けるから、努力するよ」
かと思えば、
「無理してしまえば、後で困ったことになるんじゃないの」
などと反対のことを言われる。
さまざまな人のアドバイスを聞けば聞くほど、自分の気持ちが揺れてくる。さらにまた、いろいろと、自分の気持ちや感情を後回しにして、
「もし、できなかったら、どうしよう」
「努力して、その後でできなかったら、ますます追い詰められてしまう」
等々、さらに思考をするためにいっそう、迷うことになっていく。
こんなふうに、自分の気持ちが揺れているから相談したくなるものですが、自分の気持ちが優先できない状態で、人の意見を聞いてから決めようとすると、ますます揺れるだけでしょう。
自分中心になって、自分の感情を基準にすると、どんな聞き方になるでしょうか。
自分の感情は、「情報」だと、サンマークの本に書いています。
まさに感情は「自分にとっての情報」です。
自分を大事にするために、感情があるのです。
そしてまた、大事にすることが、自分の人生をさらに実りある人生にしていきます。
それは明かです。
なぜなら、感情は自分を愛するためにあるのですから。
だから感情があるのです。
では、具体的には感情をどんなふうに活用するか?
単純です。
人の話の言う言葉やその内容に耳を傾けることはありません。
それは「無視しろ」と言っているわけではありません。
相手の話の内容は、しっかりと聞いてください。
けれどもそれは、自分の心を確認するために、という捉え方です。
そうするためには、どうするか。
その人の意見や感想が、自分の心にどう響くか。
その「響き方」で、自分の心を確認するのです。
相手の言っている内容に、同意する気持ちになるのか、納得するのかどうか。
それは、頭で考えることではありません。
相手の言葉に耳を傾けると、その多くが「もっともだなあ」と聞こえるでしょう。あるいは、相手のほうが「正しい」と聞けるでしょう。
けれどもその正しさが、自分にとって正しいかどうかは、別問題です。
「いまの私にとって、それが必要かどうか」なのです。
これが大事です。
どんなに正しいことを相手が言っていても、「いまの自分の心にそぐわない」のであれば、それは、
「いま、私がやりたいこと。あるいはやりたくないこと」
ではありません。
なぜなら、いま、自分がそうやって「迷ってしまって、だれかれにでも相談しないではいられない」という状態になっているのは、どうしてでしょうか。
それは、自分の気持ちとは裏腹に、思考で考えてしまって、自分の気持ちをほうを優先して決断できないため、ではないでしょうか。
自分の気持ちを優先できないで苦しんでいる人が、まさにいま、そうやって「自分の気持ちを基準にして決めるチャンス」のときに、自分の気持ちを優先できずに、相手の意見や感想を頭で聞いて「相手の言葉を正しい」という聞き方で従おうとしてしまう。
いま、自分が直面している、それが、自分の問題の根っこに触れていることなのです。
そんな自分の願いを叶えてあげることが、自分を大事にするための方法なのです。
感情は、それをあなたに教えてくれているのです。