できなくて当たり前1 (自分中心で争いが激化する?)

 いままで何十年と他者中心の意識で生きて来た人が、閃きのように、
「私が求めていたのは、こんな生き方だ!」
 と、「自分中心」の生き方に目覚めたとしても、それですぐに自分中心の生き方になるわけではありません。

 まず、第一歩として、「自分を大事にして生きてこなかった」ということに気づいたことは、素晴らしいことです。

 自分中心で生きるようになると、
「もしかしたら、もっと悪くなるのではなかろうか」
 という危惧を抱いている人がいたとしても、それは、単なる危惧で終わるでしょう。

 もっとも、自分が自分中心になろうとするとき、あなたが自分中心になっては困る人がいるのも事実です。

 もちろんそれは、あなたが過去のあなたの状態でいることで、文句をいうことで、優位に立てる。
 あなたを無力だと思わせることで、優位に立てる。
 あなたを自分の思い通りに従わせることができる。
 優位な立場で依存していられる。
といった、さまざまなメリットを享受している人です。

 そのために、相手が、
「何故か、最近、自分たちの関係が微妙に、違ってきているぞ」
 と察知したとき、トラブルが起こりやすくなります。

 場合によっては、以前より、一見、トラブルが大きくなったかに見えるといときもあります。

 それは、あなたが変わることに恐れを抱いた相手が、前の状態に引き戻そうとして、抵抗するからです。

 あなたが自分中心になっていく過程において、相手と一時的にせよトラブルが大きくなる可能性もあるでしょう。そんな場面の遭遇したとき、気分が少し萎えるときもあるかもしれません。

 自分中心になろうとしても、そんな抵抗にあうと、焦って「なかなか難しい」と感じるかもしれません。

 けれども、そんな状況に遭遇したら、むしろ、「手応えがあったんだ」と思ってください。

 確かにそれが「手応え」なんです。

 そんなときは、同じトラブルでも、起こり方が少し異なるはずです。
 その違いを点検すると、その手応えを確信できるでしょう。

 だから自分中心になる過程で、多少トラブルがあったとしても、
「ああ、やっぱり、これもダメか」
 などとあきらめないでほしいものです。

 また、これも、自覚しておいたほうがいいでしょう。(つづく)