先を見ながら焦る
社会全体がめまぐるしく動いているからでしょう、誰もが焦りを感じながら生活をしているようです。
では、焦っている状態を、改めて感じてみましょう。
まず、意識という点でいうと、どこをみているでしょうか。
焦っている状態のときは、いまここに立っていながら、意識はその先を行っています。そして、いまここに居るときも、あそこに行かなければならない、というような意識で、その先を見ています。
体感的には、決して心地よいとは言いがたい状態ですね。
もちろん、身体も緊張しています。
単純に、緊張していると、それだけで、頭の回転が低下します。思考の視野も狭まります。
そのために、不適切な選択をする可能性が高くなります。
では、改めて、考えてみてください。
焦りながら、一体その先に何を見ているのでしょうか?
焦りながら先を見ているとしたら、その見ているところにゴールがあるからでしょう。
では、ゴールがあるとしたら、どんなゴールでしょうか。
そのゴールを、具体的に言うことができますか。
例えば、
「いまの、こんな状態では、満足できない。もっともっと、生活を良くしていかなければならない」
こんなふうに考えれば、確実に焦り出すでしょう。
では、その「生活をよくしなければならない」というのは、具体的にどういう状態になったときに、ゴールに辿り着いたと「満足できる」のでしょうか。
具体的にこれを得るという自分の目標があれば、「満足できる」でしょう。
そんな具体的なゴールをもっているのでしょうか。
ゴールが具体的になければ、どこがゴールかさえもわかりません。
ゴールがわからなければ、ゴールに辿り着いて目標達成したぞ、という達成感を味わえないどころか、完結できない不満足感ばかりを抱えて焦ることになるでしょう。
逆に、はっきりとゴールを具体的に設定できている人は、具体的な目標が明確になっているために、焦ることはないでしょう。
むしろ、じっくりと、そのゴールのことは忘れて、「今」取り組むことができるでしょう。
その状態のときは、もちろん焦っていません。
なぜなら、明確なゴールがあって、そこに向かって「いま」自分がやっていることを感じ、満足しながら着手しているはずだからです。