人のせいにすると気持ちがいい 1
今回も、「人のせいにする」ことをテーマに少し書いてみたいと思います。
前回に引きつづき、私自身も何度か、意識的に人のせいにしてみる“レッスン(?)”をしています。
といっても、直接その人に対してアクションを起こすわけではありません。
心の中でのレッスンです。
「人のせいにすると気持ちがいい」というのは最近知った体感です。
もっと正確に言うと、“はっきりと自覚して”人のせいにしてみた、ということでしょうか。
実際には、誰もが無意識のところで、人のせいにしています。
まず、どうして「人のせいにしている」にもかかわらず、それを自覚しようとしないのか。
それは、前回でも言ったように、心の奥底では、「自分自身が悪いと思っている」からです。
自分が悪いと思っていても、それを認めるのが怖ければ、人のせいにするしかありません。
「良い・悪い」に囚われていれば、いっそう、怖くなるでしょう。
「良い・悪い」に囚われていると、一方が悪いとしたら、他方が良いということになります。
そのために、自分が悪くないとしたら、「相手が悪い」と主張するしかありません。
だから、何がなんでも「相手が悪い」と言いたくなってしまうのです。
けれども、そうすることで、かえって、自分を苦しめることになります。
たとえば、自分が悪くないということを言うためには、相手がいかに悪いかを証明するしかありません。
心の底で自分が悪いと思っていれば尚更、それを否定せんがために、相手を激しく攻撃せざるを得なくなってしまいます。
ところが、自分がそうやって他者を激しく攻撃していると、その激しさが、自分に戻ってきます。
どういうことでしょうか。
相手を激しく攻撃していれば、自分がそうであるために、「私が悪いということを認めてしまう」と、今度は相手が、自分が抱く激しさで自分を攻撃してくる、と思ってしまうからです。
他者に向けて攻撃していたその激しさで、今度は「自分が攻撃される」と思ってしまう。自分のその激しさを想像して、恐怖に身を震わせるのです。
ですから、自分その攻撃性の激しさに比例して、その恐怖が、自分を襲うことになるのです。
では、「良い・悪い」に囚われていないと、どうでしょうか。 (つづく)