感じ方で決めている

 最初の2,3度はいいけれども、結局、何度も会うことなしに、その関係が終わってしまう、ということを繰り返している人がいます。

 本人は、どうしてなのか、その理由がわからない……。

 仮のその理由を、相手に直接会って聞きたいと思ったとしても関係が、それを聞く前に終わってしまうので、聞くこともできません。

 もっとも、仮に聞けたとしても、相手が素直に教えてくれるかどうかは疑問です。

 素直に応えてくれないとしたら、その「素直に教えてくれない」ということが、その答えです。

 あるいは、仮に応えようとしても、言葉にできないものかもしれません。

 自分の感じていることを、言葉にするのは難しいものです。
 他者中心になっていて、自分の気持ちや感情や感じ方を言葉にすることに慣れていなければ、なんと答えていいかわからないでしょう。

 人は、お互いに、相手との関係の距離を無意識に「感じ方」で決めています。
 自覚していなくても、お互いに反応し合っています。

 初めて会った相手でも、すぐに、
「あの人は、好感が持てる。あの人は苦手」
 というふうに、感じ方で判断しています。

 そんな雰囲気も判断材料のひとつです。

 コミュニケーションのとり方も、判断材料の一つです。
 これも、言葉ではなく、「感じ方」で判断しています。

 コミュニケーションということを、「感じ方」で言うと、話をしていて、緊張しないで済む。警戒しないで済む。
 そんな相手であれば、安心して話ができます。

 そんな安心感が生まれるのは、相手が、
「自分を攻撃してこない。抑えつけない。突っ込んでこない。否定されたり拒否されたりしない。傷つけられない」
 そんなもろもろことを、瞬時に感じ取るからです。

 私たちには、そんな能力が備わっています。

 もし、逆にあなたが、逆に他者となかなかコミュニケーションがうまく行かないという人は、自分の心に尋ねてみることです。

 それは、前記した項目の反対です。
 自分の心の中に、そんな意識を抱いていませんか。

 そんな意識があると、相手に、それは伝わります。
 だから相手は「自分を守るため」に、あなたに近づかないのです。