自分を生きていないと「漠然と」になる  

グループセッションというのは、
グループであることのメリットも多いのですが、
個人的な問題を扱うことができない、というデメリットもあります。

他方、個人セッションだと個人の問題を解決しながら、
その方法論とスキルを同時に学ぶことができます。

心理療法というと、イメージ的に、
自分の直近の問題が解決するというよりは、
精神的なもののほうがメインとなっていて、
心理療法で具体的な問題が解決できるとは思っていない人たちも
少なくないのではないでしょうか。

けれども、自分中心というのは、「具体的なこと」を非常に重視します。
それも、大きな問題ではなく、「小さな問題」をとりあげます。

なぜなら、「大きな問題」も、「小さな問題」も、そのパターンは、
同じだからです。

もちろんそんなパターンは、
自分中心の視点から捉えないと見えないことかもしれません。

けれども、自分中心の視点から自分の言動パターンを具体的に知る、
というのは、あらゆる問題解決にとって、必要不可欠です。

心というテーマに触れるとき、
「心の問題は、漠然としているから、時間がかかるし、
それが生活に直結しているわけではないから、
よほど精神的に大きな問題に直面しない限り、関係がない」

一般的にはそんなイメージがあるようです。

そのために、悩んでいる人たちは、自分のストーリーを語るとき、
難しい状態や状態にある人ほど、「漠然と」しています。

そんな「漠然と」が心なんだ、と、圧倒的多数の人たちが、
そう信じているに違いありません。

けれども、私自身は、そんな「漠然と」は、
ミクロの具体的な出来事の集積だと捉えています。

ですから、もしあなたが、
「なんとなく焦る。いつも不安。なぜか腹が立ってしかたがない」
というような漠然とした感情に、
常に晒されるという状態になっているとしたら、それは、
日々の生活の中で、ミクロの出来事を、
そのままやり過ごしてきた結果だと言えるでしょう。

私たちは、普段から自分自身が想像している以上に
繊細な心の持ち主で、それこそほんの数十秒の間にも、
さまざまな感情を抱いています。

自分中心のセミナーは、より具体的なところに焦点を当てています。
けれども、自分の人生を「漠然と捉えている人たち」は、
自分中心のスキルを学んでも、
それが日常生活に直結させることができない人たちがいます。

他者中心に生きている人たちにとって、無理ないことですが、
それほど多くの人たちが、他者をみたり、他者に合わせたり、
他者を基準にまるで脇役として生きることが癖になっていて、
自分の心に、恐ろしいまでに無関心でいます。

自分の人生を自分のものとするには、まず、小さな場面、
場面で「自分の心を感じとる」ことから始めましょう。