「不安」を「安全と希望」に変える本 

「“いまある”不安がスッキリ消える本」を三笠書房より、
発刊したときのこと・・・。

当時担当してくださった方は、若い男性でした。

熟練した編集の方々とはまたひと味違う新鮮さがありました。
自分が担当した本を、愛しい人のように大事にされている様子が
手に取るようにわかります。私も彼のやる気に触発されて、
いつになく力をいれていました。

つい私たちは、初心を忘れてしまいがちです。

彼に、自分自身の初心のあの頃をダブらせて、
新たな元気をもらいました。

始めて本を出したとき。独立して、事務所を構えて初めて、
カウンセリング業務を始めたとき。

始めた当時は、むろん不安もありました。
と、いま振り返ればそう思うけれども、当時は、
「やってみたい」という気持ちのほうが何倍も勝っていたと思います。

失敗することなど、考えていませんでした。
そもそも、「失敗」という言葉すら、浮かびませんでした。
それほど、「やってみたい。試したみたい」で心は一杯だったのです。

それは、「選択の責任」で、自分が最低どうなっても、
自分が後悔しないで済むラインを考えていたからでもあると思います。

ただ、楽しく取り組んでみる。
無理であれば、そのとき考える。
その「無理」をどこまで続けるか、金銭的にも、
自分で決めていました。

だから、やっているその間に、
無理だと感じたことはありませんでした。
やっていて、無理だったら、自ずと「結果」が出ます。

結果が出たとき、それを受け入れればいいだけだ、
と具体的に心に決めたラインがあったので、安心して「遊べ」ました。

その当時、まだ「すぐ変わる即効性ワーク」のセミナーは、
実施していませんでした。これは、かなり後になって構成し、
具体化させていったものの一つです。

けれども、すでにその当時から、意識は「即効性ワーク」
のプログラム通りの動きをしていたのだと、今、改めて思いました。

失敗することを、考える必要がない。
失敗という言葉すら、浮かばない。
最初から、最悪の場合でも、自分を傷つけない方策をとっている。

だから自由に、「自分中心心理学」の原型となる生き方を、
発信しつづけることだけに熱中できたのだと思います。

こうして文字打ちをしながら、次々に、当時の懐かしい思い出が
浮かんできます。
それこそ切り貼りで手作りの会報を作成しました。最初は一人で。
新聞の折り込みに入れるために、高校の先生をしていた友人と一緒に、
配送所までもって行ったこともありました。
だんだん、会員さんたちが協力して、
会報記事をつくってくれるようになりました。
一つ一つ、封筒に入れて、会員さんに送付する、
ということもありました。

まさにこの、「“いまある”不安がスッキリ消える本」は、
私自身が、経験者として伝えたいことでした。

若い世代にもっと、未来に希望をもってもらいたい。
自由になってもらいたい。
レールから外れてもいいじゃないか。むしろ、
自分を縛る諸々のこだわりは捨てたほうが、生き生きと、
のびのびと生きられるよ。

そんな気持ちで書いたものでした。それは私の体験でもあります。

本書は、「不安」を「安全と希望」に変える本です。

今のような社会であっても、というよりは、
今のような窮屈で緊迫した社会だからこそ、もっと自由に生きた方が、
自分の無意識が、自分自身をより「安全な道へ」
と誘ってくれるはずです。
自由であればあるほど、願いは叶う。こんなことを伝えたい本です。