金銭的に苦しい     

こんな相談がありました。

数年前に書店で先生の書籍に出会い、
以来少しずつわが身を振り返りつつ実践しています。

私は5人家族で、片道1時間ほどのところに、
母方の祖母がひとり暮らしをしています。

妊娠・出産そして今現在を振り返って同じパターンがみえてきました。
起こっているトラブルとしては、金銭不足です。
金銭不足→実家に頻繁に帰る→帰省費用がかさむ→
主人に悪い&家計の危機→行き来を減らそうとする→
祖母に援助してもらう→また行き来をする
・・・・この繰り返しです。

これをどうやって肯定的な意思をいだいてもつれた糸をほぐすのか
考えあぐねています。(相談内容は、かなり省略してあります。)

(返信)
メールによりますと、あなたの祖母は、
あなたのお母さんの実母ということですね。
祖母にとっては、実の娘がそばにいないので、
孫娘あなたを手放したくないという思いは、わかるような気がします。

ただ、これは、Uさんだけでなく、
日本人特有の密着だと思うのですが、親子で密着していたら、
当然のことながら、夫婦単位の「夫と妻」という関係は、
築きにくくなります。

Uさんのケースですと、Uさんと祖母と夫との三角関係ですから、
夫と祖母の仲が悪くなるのも、無理ないところでしょう。

具体的なお話は聞けないので、金銭的問題をパターンでみると、
金銭的問題で祖母に助けてもらうというパターンを、
Uさんからみると、確かに、金銭的に足りないという口実が
あったほうが、祖母に罪悪感なしに会えると思います。

ただ、これを夫の立場からみると、「俺の稼ぎが悪いので、
あてつけで祖母に助けてもらっている」と見えるかも知れません。
仮に、夫は顕在意識では、家計的に助かってると
思っているとしても、無意識に
「援助してもらっているにもかかわらず、Uさんが、
実家に頻繁に行くことを快く思っていない」としたら、
夫のほうも、そんな自分に罪悪感を覚えるでしょう。

この金銭的問題を解決するには、夫婦が向き合って、
夫婦として本当にやっていきたいかどうかを、
見つめ直す必要があるでしょう。もろもろの、
未解決の心の傷みがあるはずです。許したつもりでいても、
許せないでいることもあるでしょう。

夫婦が向き合いたくなくて、祖母に逃げ道を見いだしている
としたら、金銭的問題は、非常に都合のいい口実です。
つまり、金銭的問題が起こっていたほうが、
無意識のところでは、非常にメリットがある、ということです。

Uさんが、夫との関係について、心の中まで踏み込むと、
つらくなってしまう。だったら、まだ、金銭的問題のほうが、
心の痛みが伴わない。
金銭問題で、Uさんが心理的に
優位に立つことができるかも知れません。
というように、金銭的問題にも、心の問題はあらわれてくるのです。
 
金銭問題も、単に金銭問題ではありません。
家計が苦しいのには、心理的な理由があります。

ですから、金銭的問題も含めて、その状況を打破するには、
今一度、「夫婦としての私」として、まずは、
自分自身の気持ちに向き合ってください。
強い罪悪感は、精神的な不幸を招くだけでなく、
経済的、物質的にも有害です。