最近の子どもの打たれ弱さ 2 (読者からの質問)

息子(4歳)は、人前では我慢して泣かないのですが、家では、少し
でも私や主人に怒られたり注意されると、すぐべそをかき、「怒られ
るのが悲しい」といいます。
一緒に遊んでいても、自分が負けたりちょっとでもやられたりする
と、怒って叩いてきて、最後は怒られて大泣きをします。

「最近の子は打たれ弱い」と、よく耳にします。確かに近所の子に軽
く注意をしても、すぐいじけて立ち去ったり、「自分だけ怒られた」
などと後味悪いことを言うので、注意する方もとても気を遣います。
 打たれ強い人間になるには、どうしたらいいのでしょうか。
(質問内容は、部分的に省略してあります。)

(返信2)
「打たれ弱い」「打たれ強い」という発想そのものが、相手との
関係を、協力関係ではなく、対立関係とみなしています。

相手や社会を対立関係と見なしている人ほど、
・相手が言葉を発すると、相手が自分のことを言っているわけで
ないにもかかわらず、否定的に自分と結びつけがちです。
(つまり、過剰に反応するために、
自ら災いを引き寄せることになります。)

・相手が言っている何気ない言葉も、その多くを「責められて
いる」と捉えます。心が「責められている」と感じて反応してし
まうのです。

・相手の言動に対して「従わなければならない」あるいは「従わされ
る」と思い込んでいて、自分の心の自由を認められません。

こんな心の状態で、相手に闘志を燃やし、反発していくことを、「打
たれ強い」と誤解している人も多いのではないでしょうか。

私には、
『こんな心の状態で疲労困憊しながら、戦ったり、勝とうとしている
状態を、「打たれ強い」。
すでに負けてしまっている意識で戦っているか、あるいは、あきらめ
ている状態を「打たれ弱い」。』
というふうに映ります。

いずれにしても、こんな心の状態は、まさに、
「自分が信じている通り」の状況を引き寄せます。

なぜなら、自分を囲む環境の中から、上記したように、自ら、そんな
状況になる種をまき散らしたり、あるいは拾い集めていくからです。

その反応のしかたも、社会や相手を敵とみなすその恐れから、過剰反
応します。
過剰防衛します。

だから、いっそう、争いを、自ら激化させていく確率が高くなってい
くでしょう。

相手や社会を対立関係と見なしていない人は、仮に、相手の中に、そ
んな
火種を発見したとしても、わざわざ空気を送り込んで火種を大きくさ
せることはしないでしょう。

まったく傷つかないというわけではありません。
・傷ついたとしても、それに過剰に反応したり、それを拡大解
釈して、相手を責めたり、自分を責めたりしないでしょう。

・相手とのプラスの関係のほうにより、焦点が多く当たるでしょう。

・そんな意識が、プラス関係になれる人を引き寄せます。

・相手の中に、対立の種を発見したとしても、相手をプラスの関係に
育てる力も持っています。

・もし仮に、相手が故意に自分を傷つけていると感じたら、「やっつ
けてやる」と発想するよりも、相手とのつきあい方やその距離を、自
分の意志を基準にして決断していくでしょう。

「打たれ強さ」も「打たれ弱さ」も、その奥に、依存的な意識が隠れ
ています。
だから「マイナスで充実していく」ということにもなっていくのです。