脳の回路を育てる(1)   

心理の働き方と脳の働き方とは一致している。
心理的に偏った思考しか出てこないとしたら、
脳の働きのどこかが阻害されていたり、育っていない。
反対に、脳のどこかが阻害されていたり、育っていないと、
心理的にも偏ってくる、と、つくづく痛感する。

もちろん、それは、脳に異常があると言うわけではなく、
正常な働きをしている中でも、その働き方に差違がある
という意味だ。

自分中心心理学では、脳の構造で、
『左脳タイプ・右脳タイプ・感情脳タイプ・脳幹タイプ』
にわけて、その分類で、言動パターンをみる。

その分類にのっとると、どの脳が優位に働いているか。
どの脳を基準にしているか。
つまり、どの脳が“利き脳”になっているかで、
機能の仕方が異なってくる、というのが見て取れる。

臨床での観察的な見方でいうと、感情を抑えていたり、
感情脳そのものが育っていないと、
どうしても、右脳・左脳、あるいは脳幹が優位になるために、
平面思考となっていく。

とりわけ、典型的な左脳タイプの人ほど、
平面思考になってしまうために、
堂々巡りの思考に陥りやすくなる。

どんなに考えても、どうしていいかわからないという人は、
イメージで言うと、思考回路
が山の手線である。
あれこれと悩んでも、山の手線回路しかないので、
そこから外れることができない。

この山の手線から抜け出すことができない人の定番が、
「じゃあ、どうすればいいですか」
いま、その「どうすればいいのですか」の答えを、
Aという実践的な方法を提示している最中に、こう尋ねてくる。

平面思考になっているので、山の手線から支線に
乗り換える方法を提示していても、支線と本線とが
つながっていると、気がつかない。
まるでそれは、各駅(感情)を味わうことなく
「思考」から「思考」へと超スピードで走り抜ける新幹線である。

悩みが深い人ほど、私の目からみると『脳の回路』が
固定された平面思考になっている。
立体思考をするには、どうしても、感情脳が不可欠なのだ。
(心だけでなく、脳をスムーズに機能させるためにも、
感情は重要なのだ。)

この、平面思考が立体思考にならない、そのストッパーと
なっているもののひとつが、「罪悪感」である。しかも、
その罪悪感の占める割合は、非常に大きい。

罪悪感が、立体思考するのを妨げている!!