脳の回路を育てる(3) 

  
「いまを生きる」というのは、いまの瞬間への(心地よい)
集中である。

例えば、ここに「5分」という時間がある。
この5分間を、過去の思い出で費やすこともできる。
この5分間を、未来を想像することで費やすこともできる。

さらに、過去であれ、未来であれ、その思いはプラスの思いか、
マイナスの思いか。
思いがプラスかマイナスかの分量でも、満足度は異なるだろう。

悩みが深い人は、その思いも、たいがい、マイナスであるだろう。

では、この5分間を、「いまを生きる」につかうとどうなるか。
いまを生きて初めて、五感の気持ちよさ。感情の気持ちよさ。
体を動かす気持ちよさ。声を出す気持ちよさ。
自分の意志を尊重したときの気持ちよさ、つまりは
『私を愛する気持ちよさ』等々。
限りない満足感や充実感を、その5分間に見出すことができるだろう。

私がセミナーやカウンセリングで取り組んでいる体からのアプローチ。
脳からのアプローチ。さらには、最近は、「罪悪感を消す」
というアプローチ。
こういったもののすべてが、『いまを生きる』
に焦点が当たっている。

「支線の線路を築く土木作業」というのは、こういう意味である。

この土木作業を思考で捉えると、
「ゴールは、はるか彼方にあって、果てしなく遠い」
というような絶望感で打ちひしがれるかも知れない。

むしろ、そう感じる人ほど、「いまを生きる」
レッスンをしてほしい。

「いまを生きる」ことができれば、
「はるか彼方の、果たしなく遠い」という未来を見るよりも、
いま、大地に立っている自分を実感するだろう。
足元の、自分が踏みしめている砂利の感触を実感するだろう。
つるはしを振り上げれば、その筋肉の、
肉体の心地よさを実感するだろう。線路に小さな花が咲いていれば、
その可憐さに愛おしさを覚えたりするだろう。

今回の「罪悪感を消すレッスン」も、そんな「いまを生きる感覚」
をたくさん、インプットする。

しかも、そうすることで、蓄積していた感情が、
私が想像していた以上に軽く消えていくようだ。

癒されるというウエットな感覚を超えて、
蓄積していた感情が勝手に消えていく、という感覚で、
なんだかわからないけれども、『温泉気分』になっている。
そんな効果があるとコメントしてくださる人が多い。