手に入ると情熱が消えてしまう 

物を買うときも購入するまでは気持ちが高ぶって手に入ると
情熱が消えてしまう。
セミナーについても同じ。

「実現させたい《状態》にしておく」
「実現させようと思えばいつでもさせることができる」
「今この現実は、実現していない」

このような思い、考えのもとセミナーや本で知識やノウハウを
得ても実行に移すより、その気があればいつでも問題を解決で
きるという安心感で満足してしまいます。

こんな質問をいただきました。

(返信)
手に入れたら、それを実行せずに終わってしまうのは、もし、
それを実行して、効果がなかったら、“後がない”という
最後の砦が崩れてしまうような不安を抱いているかも知れません。
最後の砦が崩れてしまったら、もう、失望しかない。
だからせめて、希望を抱いている状態でいたい。実行せずに、
「効果があるものを手に入れている」で安心していたいのかも
知れません。    

もし、実際に実行してみて、自分が恐れていた通りに
なってしまった。こんなときは、次のような発想をしてみたら
どうでしょうか。

「私には役に立たなかった」ということがわかった。
それを確認できたという点では、失敗でも無駄でもありません。

ひとつのことが決着しなければ、前に進めないということが、
しばしば、あります。
ですから、それが確認できれば、「前に進めます」。
ひとつの区切りがついたという点においては、そこから
「前進できる」のですから、いいことですね。

もう一点、「それを手に入れると、情熱が消えてしまう」
というのは、いわば、それを「ゲットした。所有している」という、
脳幹の満足が満たされた瞬間だからでしょう。

脳幹の満足は、結果です。
脳幹の満足は、その結果で終わってしまうので、
継続的な満足がありません。

他方、人間脳や感情脳で味わうことができる満足は、
継続的です。

もしかしたら、あなたにとっては、「脳幹の満足」
を満たしてあげることが、まだ、必要なのかも知れません。

ゲットする満足は、どちらかといえば、手っ取り早いですね。
寝ること、食べることもそうですね。

「脳幹の満足」は、肉体の原始的な喜びです。
原始的な喜びは、生命にとって、不可欠です。

「手に入れたら、情熱が消えてしまう」というと、
どこか否定的に聞こえます。
でも、「手に入れた」というほうに焦点を当てると、
どうでしょうか。

「そうか、そうか。脳幹の欲求を満たしてあげて、
よかった、よかった」
と、原始的な満足感を味わい、それを喜ぶ。

そうやって、脳幹の満足が充分に満たされたとき、次第に、
感情脳や人間脳の高度かつ継続的な満足へと、
向かっていくのではないでしょうか。