息を吐くように嘘をつく 

かつて「息を吐くように嘘をつく」という言葉がネットで
大流行しました。
というのは、嘘です。

嘘でないのですが、大流行しているというのは、誇大表現です。
でも、平気で嘘をつけるその意識が、“言い得て妙”で、
何度も目にしたので強く印象に残ってしまいます。

大多数の人たちは、本音では、誰も好んで嘘をつきたいとは
思わないのではないでしょうか。
けれども、一蓮托生。

いちど仲間に入ってしまうと、裏切ることができません。
支配性の強い組織に入ってしまうと、自分の自由がありません。

組織の頭領が嘘をつけば、自分もその嘘に「右習え」
するしかありません。
嘘をつかないということは、その組織からすれば、裏切り者です。
裏切り者には、さまざまな制裁が待っています。

ひとたび、悪巧みの仲間になってしまうと、
どっちに転んでも苦しい立場に立たされます。

毒を食らわば皿までも。
それが組織というものなのかもしれません。

よくよく考えれば、組織やグループの多くが、
「支配関係」で成り立っています。

表向きは自由であっても、組織の中で違うことをすれば
許されない、という雰囲気があれば、自由とだと言われても、
他の人と違ったことはできないでしょう。

組織で決めたことは、間違っていると自分が思ったとしても、
守らなければなりません。

もしあなたが、そんな立場に立たされたことないとしたら、
そんな自分を喜びましょう。

「嘘をつく、つかない」の選択を迫られない人生というのは、
それも自分が選んだ人生なのですから、それだけでも
素晴らしいことです。

そんな組織にいて、「嫌気がさして辞めてしまった人」が
いるとしたら、それも素晴らしい行動ですね。

嘘をつかざるを得ない職場にいて、それでも尚、
そこにしがみつかなければならない立場に立たされている人は、
恐らく過去にも、そんな経験があったはずです。

いあ、そんな自分に決別できるかどうかが、
試されているのかもしれません。(本当は、自分が試しているのですが)

「記憶にない」
「私は答える立場にない」
「確認していない」
「調査する必要がない」
「問題ない」
「必要ないと判断しました」
「閣議で決定した」

もはや、こんな言葉がまかり通る社会になって、
子供たちに浸透してしまったら、未来はどうなっていくのでしょうか。

「息を吐くように嘘をつく」親を、子供たちが見ています。
                          つづく