どうしてすぐにばれる嘘をつくのか  

私たちの目から見ると、後で調べればすぐにばれることなのに、
嘘をついてしまうということがあります。

最近は、政治の世界で、それがあたかも日常茶飯事のように
起こっています。

それが、日常茶飯事のように起こっているとしたら、それは、
「実際に、嘘をつくことが日常茶飯事になっている」
ということなのでしょう。

良いことも悪いことも、日々の積み重ねです。
また「パターン」ということも言っています。

良いことも悪いことも、その日々の積み重ねが
「パターン」になります。

その組織の誰もが、「平気で嘘をつく」としたら、
それは「平気で嘘をつく」パターンが、最早、
“常態化している”ということになるでしょう。

普段は、嘘をついても、ばれなかった。というよりは
、誰も調べることがなかった。
だから、「すぐばれる嘘」をついても、問題なく通用していた。
たまたま、誰かが調べたら、「すぐばれる嘘だった」
という程度でしょう。

もしこれがすでに常態化しているとしたら、
これからも、みんなが、つい「すぐにばれる嘘をつく」でしょう。

これが、一つです。

もう一つは、一つの組織である、ということが
「すぐばれる嘘」でもつかざるを得ない現象を生んでいる
ということです。

例えば、一軒家の持ち家だったら、自分次第で、
どうにもでもなります。自分勝手に改造できます。
その過程で問題があっても、
自分の一存でどうにでも処理できます。

けれども、人の集合体である組織では、そういうわけにはいきません。

100軒、200軒の大所帯マンションの場合、
どこを改造するにも、特にお金がかかれば入居者すべての合意が
必要です。自分勝手にできません。

みんながの合意があって改造するとき、自分一人のミスで、
それがおじゃんになってしまったら、
みんなから攻撃されるでしょう。

それがもし、「不正に触れるもの」だとしたら、尚更でしょう。

例えばみんなが結託して不正を働き、
儲けたお金を分け合っているとしましょう。
全員が結託していれば、一蓮托生です。
一人の不正が暴かれれば、そこから、芋づる式に、
ばれていってしまう可能性が出てきます。

自分一人のせいで、組織全体が危うくなる……。

いきなり自分の不正が暴かれれば、
悠長に考えている暇などありません。とりあえず否定して、
あとで辻褄を合わせようとするしかないのです。

集団という団子状態で、みんなが一枚噛でいれば、
裏切ることができません。

自分のその芋づる式の「はじまり」が自分となってしまったら、
そう考えるだけで「ぞっとする」でしょう。

だから、「すぐばれる嘘」であっても、今すぐにできることは
「否定する」しかないのです。

圧倒的多数の一般人の私たちとしては、
そんな環境の中にいなくていい自分を、誇らしく思いたいものです。