どうしたら自信がもてるのだろう(上)

「自信をつけるには、どうしたらいいのでしょうか」
 セミナーのときなどに、よく訊かれる。
 私には、それが「誰かが、わたしに自信をつけさせてくれることを
期待している」ように聞こえることがある。
 まるで人事のように。
 誰かが、“自信”をプレゼントしてくれるがごとくに。

 自信をつけるには、まず、自分が、自分に関心があるかどうかが、
最も重要だ。

 もちろん、「どうすれば?」と尋ねるのだから、自分に関心がない
とはいえないだろう。けれども、本当の意味で、自分に関心をもって
いるかどうか。

 例えば、
「誰かがわたしに自信がつくように接してくれたら、わたしは自信が
もてるに違いない」
 とあなたは考えている。
 その思い通りに、ある人が、
「すばらしい。あなたはなんて能力があるのだ」
 と称賛したとする。

 もともと自信のある人は、その言葉を素直に受け入れることができ
るだろう。そして素直に「ありがとう」と返すことができる。
 ちょっと自信がある人は、「そうかなあ。うーん、ありがとう」と
照れるかも知れない。
 けれども、自信のない人はどうだろうか。
「わたしがすばらしいなんて、そんなわけがない。お世辞を言ってい
るか、からかっているだけだ」
 と相手の誠意を疑ったり、その言葉を勘ぐったりする。

 こんなふうに、どんなに相手が「すばらしい」と褒めてくれたとし
ても、自分自身の受け止め方次第で、善意も悪意に変わる。
 相手から称賛されたとしても、自分がそう信じられなければ、いつ
まで経っても自信は得られない。

 他者が“自信”をプレゼントすることはできないのである。
 もし仮に、他者からプレゼントされる“自信”があるとしたら、そ
れは別名、「傲慢、尊大、横柄、虚栄」という。
 自分に関心を向けない限り、自信は得られないものなのだ・・・。
(つづく)