頭で考えることと実際に起こること

 自分中心心理学に詳しくない人は、マガジンの文章だけを読むと、かなり割り切った考え方をするなあ。冷たいなあと思う人もいるかもしれません。

 確かに、責任ということにおいては、わりに厳密なほうだと思います。けれども、その責任すらも、多くの人が感じてるような「責任は100とるかゼロか」という発想をしません。

 自分にある責任の分量を、見極める作業をします。過剰な責任はとらない。相手の責任まで肩代わりしないというのを、明確にしていく責任の取り方をしていきます。

「お互いの家にそれぞれが帰る」という発想も、すごく割り切っているなあと感じた人もいるでしょう。
 でも、それは、頭で考えていることだからです。

 実際に、それを実行した人がどうなるか。
 もちろんこの場合、夫婦が仲が良いというのが前提ですよ。
 仲が悪ければ、実家に帰ったっきりになってしまうかも知れませんからね(笑い)。
 
 私はカウンセリングをするとき、
・実践してみると、どうなるか。
・その後にどんな気持ちが芽生えるか。
 それを見越してアドバイスをします。そのとき、「その先どうなるか」を言いません。

「その先にどうなるか」を事前に伝えて教えて納得してもらうよりも、その人が、体験として実感してほしいからです。

 頭で考えていることと、実践してみてその後に起こることとには、大きな違いがあります。

 頭で考えているよりも、「小さな行動」が大きな変化のきっかけをつくります。
 だから私は、「できるところから行動する」ようにと言うのです。

 自分のために行動していると、その自由と自分を守れるという安全感から、お互いを思いやる気持ちが芽生えます。

 義務や義理でやっていたのが、「心から」ということになります。

 人は、心の自由や安全や満足が得られれば、人にやさしくなれるんですよ。だから、まず、自分を愛してほしいといっているのです。
 前回でいえば、だからまず結婚したら、「旧ファミリーよりも新ファミリー」を優先してほしいと思うのです。

 さらにまた、新ファミリーの中でも、自分を殺して家族の言いなりになるよりも、「自分を愛する」ことを優先してほしいものですね。