言葉が人生を創る(1)

前にも書きましたが、「自分中心」の言葉と「他者中心」の言葉があります。
 自分中心の表現のしかたを、ひっくるめて「第一の感情」と呼んでいます。これは、自分のための感情であり、自分のための表現です。
 他者中心の表現のしかたを、ひっくるめて「第二の感情」と呼んでいます。

 典型的な違いは、よく自己主張ワークで実施されている、「アイメッセージ」「ユーメッセージ」です。
 けれども、「自分中心」の表現のしかたは、このアイメッセージとも、微妙に違います。

 私の感覚では、まったく違います。
 テクニックではないんですね。

 「自分中心」の自己表現は、言葉ではなく、言葉のエネルギーを重視しているからです。

 言い換えれば、それは「意識」であり、「実感」です。
 ここが、まったく違う点です。
 文字で説明すると、「他者中心」の言葉は、その中に支配や操作があります。「自分中心」の言葉は、自他を認めています。自他を心で“感じて”います。

 よく聞かれる話しですが、
「アイメッセージで言うと、最初は(相手も言うことを聞いてくれて)効果があるんですが、だんだん効果がなくなってくるんです」
 これは、テクニックで遣っているからです。
 その中に、見えない操作や支配が入っているからです。

 どんなにやさしい言葉、美しい言葉を遣ったとしても、その中に、
「俺の言うことを、ちゃんと聞くんだよ」
「私の言うことを、きかなくちゃ、ダメじゃないの」
 という意識があれば、相手は、その支配性のほうに反応します。

 仮にそれに相手は気づいていないとしても、無意識にキャッチします。気づかなくても苦しいと感じるのは、そういうときです。誰でも、相手のエネルギーを感覚で感じとっているのです。

 相手だけではありません。
 あなたがしゃべる言葉のエネルギーは、あなた自身の肉体も、それを感じとっています。

 乱暴な言葉は、自分自身の細胞に、雑で荒っぽいエネルギーを、注ぎ込んでいることになります。
 それは、自分自身の肉体に影響を与えるだけでなく、自分自身の人生にも悪い影響を与えることにもなります。

 「他者中心」であればあるほど、この言葉のエネルギーのもつ感覚の感じ方が、鈍かったり、歪んでいたりします。
 自分の中に「強いマイナスの意識」があると、その歪みに気づきません。それが当たり前になっているからです。

 日頃、あなたが自分自身に向かってしゃべっている言葉が、いかに自分を傷つけているか。あるいは、その言葉のエネルギーの影響で、どれだけ運を悪くしているか。

 一日ワークは、そんな自分の感じ方の歪みを、「言語を用いて」チェックして、正常にもどすワークでもあるんです。

 言葉のエネルギーは、物事を創造する種とも言えます。自分の言葉が、人生を彩っていきます。
 いつもつぶやいている言葉。それが形になっていきます。

 否定的つぶやきだとしたら、否定的なものが形になるでしょう。
 例えば、「会社に行きたくない」とつぶやきながら会社に行っていると、「行かなくていい状況」を創っていきます。
 この「行かなくていい状況」という意味がわかりますか。

 肯定的な言葉をつぶやいているとしたら、肯定的なものが形になっていくでしょう。

 言葉というより、言葉の響きのエネルギーが原形となって、形をつくっていくのです。(つづく)