言葉が人生を創る(2)
「他者中心の人」と「自分中心の人」との、決定的な違いがあります。
まず、他者中心の人は、相手を見ているために、単純に、自分を見ることが少なくなります。
さらに、相手に囚われるために、
「あの人がこう言った。ああ言った。誰それが、こうした、ああした」
というふうに、思考に囚われていきます。
それゆえに、さらに自分の感覚や感情に気づくチャンスが少なくなります。
「思考」と「感情・感覚」は、同時につかえないのです。
ですから、例えば、コミュニケーションにおいては、
自分中心の人は「相手の感情」を「私が感じる」ことができます。
他者中心の人は、相手を見ているがゆえに、「相手の感情」を「私が感じることができません」。
《相手の感情を、「私が感じる」ことができる。》
これが自分中心と他者中心の決定的な違いです。
相手がしゃべる言葉を「私のからだと心」で聞くと、相手がしゃべっているエネルギーを、感じとることができるのです。
実は、他者中心になって、相手のことを気にしたり、憶測するより、この「私が感じる感覚や感情」のほうが、情報としては、より正確なんです。
他者中心の人は、よく、こんなことを言います。
上司が言ってることは、もっともなんです。
親の言うことが正しいから、私は、それを守らなければならないと思って、努力してます。
恋人の言うことが正論だから、私が変わったほうがいいと思うんです。
(……でも、私の気持ちは苦しい。)
相手の言うことが正しいから、言に従う?
なんて、バカなことを考えないでくださいね。
学校や職場では、みんなが仲良くしたほうがいいですね。
親子は愛情が大切ですよ。
夫婦円満が一番いいんです。
健康であるためには、不摂生をしないことです。
この世から争いがなくなれば、世界に平和がやってくるんです。
相手を思いやり、心から相手に愛情をもって接することが大事ですよ。
こんな正論だったら、誰でも言うことができるでしょう。
オウムだって、オウム返しに言うかも知れません。(つづく)