まずは自分の身体を感じよう 

「私を感じる」ということにおいて、とてもハードルが高いと感じる人が少なくないようです。
 それは、自分の心を見詰めようとするからではないでしょうか。

 もろもろ過去につらいことがある人は、なおさら、自分を見詰めることに抵抗を覚えるでしょう。

 まずは、自分の“心”を見詰める必要はありません。

 自分の「肉体」のほうに関心を向けましょう。

 不安や焦り、恐れなどを抱えている人は、つい、自分の感情のほうに焦点が当たり過ぎて、自分を見るのがつらくなりますが、こんな感情ではなくて、「肉体」のほうです。
(ちなみに、こんな強いマイナス感情は、思考等でつくられた感情であって、これも「いまの自分の感情」と混同しがちです。)

 例えばいつも言っているのですが、「弛緩と緊張」。

 簡単なのは、
 全身に力を入れて、
 一気に、力を抜く。

 抜いたときの、楽な感じを“実感”して、自分の肉体に、その感覚を教え直してあげましょう。

 この違いを実感してリラックス感を覚えるだけでも、肉体が楽になるだけでなく、「心が楽に」なります。

 肉体の「楽」を知ってはじめて、自分がいかに自分に対して酷いことをしているかがわかるでしょう。

 例えば、相手と話をしているとき、相手を避けたいという意識が働くと、緊張しながら、逃げるように身体を斜めにしています。

 もう、それだけで「肉体が緊張していて、きつい」ということが実感できるでしょう。

 そんな自分に気づいたら、単純に、楽な姿勢をとって身体の力を抜きましょう。

 周囲にアンテナを張り巡らしていると、首を前に乗り出させたり、首に緊張が入っています。

 それに気づいたら、首を自分の肩に乗せるように立てて力を抜くだけで、心も楽になります。

 こんなふうにして、自分の肉体をリラックスさせてあげることが、自分を感じるための基礎作りにもなるので、一石二鳥以上のメリットをもたらします。

 常に、「自分ができるところから」です。
 また、「自分ができるところから」が全てです。
 それが、「今に生きる」ことにも通じます。
「今に生きる」ことができれば、人生は勝手に良くなっていきますよ。