知らないところで憎まれていた 

まったく会ったこともなければ、話したこともない人から、
嫌われたり、憎まれたりしたことはありませんか。

テレビタレントさんを観て、「あの人は好き、あの人は嫌い」
ということを話題にするように、会ったことがなくても、
見た目で決めてしまうことがあります。

職場などで、直接的な接触がなくても、その雰囲気だけで、
苦手と感じることもあるでしょう。

そんなときは、苦手と感じた相手によって、
過去に自分と争ったり傷つけ合ったりした相手が想起され、
無意識がその情報を顕在意識に送ります。

顕在意識がその情報をキャッチして「苦手」と感じさせる、
というようなことが起こっているのかもしれません。

こんなケースであれば、よくあることです。

けれども、まったく接触がない人、
個人的な関わりがない人から憎まれている、という場合があります。
こんなことで嫌われたり恨まれたりしても、
手の打ちようがありません。

例えば、あなたがAさんと親しいとしましょう。

Aさんは、Bさんとも親しくしています。
けれども、あなたとBさんとは、
それほど親しい関係ではありません。

もう、想像がつくのではないでしょうか。
恋愛の三角関係とも似ていますね。

Aさんが、いかにあなたと親しくしているかを、
Bさんに語ったとしましょう。

Bさんは、Aさんに嫉妬するよりは、
あなたに嫉妬するかもしれません。
あなたとAさんとの関係を、
Bさんはねたましく思うかもしれません。

Aさんが、あなたを褒めれば、いっそうBさんは、
あなたを不快に感じるでしょう。

その結果、あなたは、
話したこともないBさんに嫌われることになります。

もし、何らかのことで、
Bさんがあなたについて喋るチャンスがあれば、
根も葉もない噂をBさんに流されるかもしれません。

こんなふうに、まったく見知らぬ人から恨まれたり、
嫌われたりするということもあるのです。

こんな場合、
Bさんがあなたを嫌う根拠がまったくないかというと、そうでもありません。
それは、Aさんが、Bさんに嫉妬させるために、
あなたの話を持ち出したという可能性もあります。

Aさんがあなたと親しいことを、Bさんに誇らしげに語っているとき、
Bさんの耳には、
「ほんとうは、あなた(Bさん)なんかよりも、
あの人のほうが好きなんだ」
と言われているように聞こえているかもしれません。

雑誌の取材を受けたとき、
「親友」というテーマで尋ねられたことがあります。

そのとき、親友として最も重要なのは、
「お互いに、相手のことに関心をもっている」
と答えたのを覚えています。

お互いに、
「私は、あなたが好きだから、あなたに関心があります」
ということです。

「いま、自分の目の前にいる人を大事にする」
というのは、人間関係における鉄則だと思っています。

「あなた」と「私」が会っていて、話題になるのが、
職場の誰かや他の誰かの話で盛り上がるとしたら、
それは親しいとは言えない、と。

仮にそれが相談事だったとしても、
いつも第三者についての相談事ばかりになるとしたら、
これも「自分の目の前にいる人を大事にしている」
とは言いがたいでしょう。

場合によっては、第三者の「悪口を言う」よりは、
「褒める」ことのほうが、かえって災いをもたらすこともあるのです。

こんなトラブルを避けるためにも、
「いま、自分の目の前にいる人を大事にする」というを、
覚えていたいものです。