嫉妬してしまう 2
前回、あなたが嫉妬するのは、自分が嫉妬しているだけでなく、相手が、あなたに対してライバル意識をもっていて、相手のほうも、その嫉妬心を煽っているかも知れない、という話をしました。
それも、「類は友を呼ぶ」の原理で、あなたが嫉妬心が強いと、あなたが気になる相手も、嫉妬心が強い人だったりします。あなたの嫉妬心のエネルギーと相手の嫉妬心のエネルギーが、磁石のように引き合うのです。
ところで、自分でも自覚していると思うのですが、「勝ち負けの意識」が強い人ほど、他者中心です。
それも、まだ、負けていない(かもしれない)状態の意識で相手を見ています。
まだ、負けてはいない。けれども、勝つこともないという意識。
この「負けてはいないけれども、勝ってもいない」状態。
実は、これが、嫉妬心が強い人のメリットです。
他者中心になって、「勝ち負け」の意識で相手を見れば見るほど、嫉妬心も強くなっていくでしょう。
自分の心の中を覗くとわかると思うのですが、相手を見ながら、絶えず自分のほうも見ています。意識が、相手と私をいったりきたりする。
この回数や分量が多いはずです。
相手と私を比較するのですから、当然ですね。
この「私を見る」という見方も、自分中心的に見るというより、他者中心的に見ています。つまり、自分を経験レベル、実感レベルで「私を見る」というよりも、人間脳的な見方で「私を見て」います。(こんな表現の仕方をしても、さっぱりわからない、という人が多いと思います。説明する時間がないので、わからない人は、とりあえず、そのままにしておいてください。)
話が逸れましたが、「嫉妬している状態」のメリットは、「負けないで済む」ということです。
本気で、自分がその人と張り合っていけば「負ける」という恐れを抱いています。勝ち負けを争う人にとって、「負ける」というのは最大の屈辱です。
嫉妬している状態であれば、行動することがありません。嫉妬に囚われているというのを口実に、なかなか、行動できません。
実は、「行動できない」のではなく、行動したくないのです。
行動しなければ、決して「負ける」ことはありません。
だから、「行動して(負けた)結果を見る」を経験せずに済みます。
「嫉妬」で終われば、負けずに済む。
これが、嫉妬の最大のメリットです。
だから、行動できる状況が整いそうになると、お金がないからできない。時間がないからできない。体調が悪いからできない等々。さまざまな行動できない要因を、自ら作り出し、嫉妬している状態にもどっていくのです。(おわり)