「なかなか決められない」から抜け出す方法

『「なかなか決められない」から抜け出す方法』という新刊を廣済堂か
ら上梓しています。

 多くの人たちが、なかなか決められない状態になっているときは、すぐに何とか決めようとしていろいろ考え、足掻きます。そして一刻も早く白黒をつけようとしたがります。

 けれども、いつも言っているように、どんなにあれこれ考えて結論を出そうとしても、「思考」だけで、心からスッキリするような決断ができることはないでしょう。

 もともと「なかなか決められない」状態になっているのは、そうやって、思考で何とか決めようとしているからです。

 思考タイプの人たちは、
「どちらを選択したほうが、自分の未来のためにいいんだろうか」
「自分にとって最も適切なのは、どれだろうか」
 などと考えます。

 けれどもそんな言わば損得勘定の思考に囚われているときは、自分の気持ちや感情や欲求を無視しています。

 無視していても、もちろん、自分の感情や気持ちや欲求が消えてなくなったわけではありません。

 逆に、そうすればするほど、自分のそんな気持ちは、無意識の中で、徐々に肥大化していくでしょう。

 それが飽和状態に達したときに、いきなり表面に浮上してきて、例えば、
「もう、あの人と別れたい」
「もう、会社を辞めたい」
「もう、仕事をしたくない」
 といった切羽詰まった気持ちに陥っていくのです。

 けれども、物事を「思考」で処理しようとしてきた人ほど、
「でも、別れられない」
「でも、辞められない」
「でも、仕事を休めない」
 というふうに、「なかなかできない」状態で悩むことになるでしょう。

 もしあなたがそうやって日ごろから「なかなか決められない人」であったなら、あなたは、恐らく、過去において大きな問題に直面したことがあるでしょう。あるいは、いま、直面している最中かもしれません。あるいは、未来において、大きな出来事が起こる可能性が高いでしょう。

 こんなふうに、自分の気持ちや感情や欲求を無視しつづけると、「なかなか決められない」まま、問題を大きくしていきます。そんな人ほど、自分の気持ちや感情や欲求を満たす解決方法を、同書で学んでほしいものです。