自分の行動が、勝手に社会を変える

 私の本を、いつも近くの図書館で借りて読むという女性がいます。
 最初の頃は、
「あ、ここの図書館にも置いてあるんだ。嬉しいな」
 ぐらいにしか思っていませんでした。

 もちろん、借りるより、買っていただいたほうが、私にとっては、金銭的メリットがあるのですが……。

 彼女が図書館から本を借りる、これは飽くまでも個人的な理由です。
 けれども、“個人にとっての理由”であっても、そこには「無意識の理由」あるいは「無意識の目的」も働いています。

 改めてそれに注目したのは、彼女が図書館に出向いて、自分の望む本がなかったら、図書館に入れてくれるように申請しているということを聞いたからでした。

 しかもその図書館の担当の方々は頭が柔らかいのか、一般的には「トンデモ(ない)本」の類でも、入れてくれるそうな……。

 そのとき私は、彼女の地域貢献は「これだな」と思いました。
「すばる舎の『怒りの本』は、予約が40数件入っていた」などと、私の本の“ニーズ度”の情報もいただきます。

 彼女が希望する本が入れば、他の人もその本を読むチャンスが増えます。
 例えば私の本が棚に何冊も並んでいれば、それを手に取りやすくもなるでしょう。
 私の本がすべての人に役に立つとは(敢えて)申しませんが、必要としている人たちもいると自負しています。
 私自身も、自分を活かすことが他者貢献へとつながることを理想としています。

 しかも、私も彼女も、“自分のペース”。
 無理をすることはありません。

 自分の意識がプラスに変われば、自分の個人的な行動が、自然と社会貢献になっていく、ということです。

 それはまた、「私がプラスの意識」でいれば、環境も同様に、「自動的にプラスの環境を引き寄せる」と、言い換えることもできるのではないでしょうか。