「感じる」感度を磨くレッスン

 前回、言動パターンの話をしました。
 それとも関係があります。

 自分の言動で、「小さなことを素通りさせてしまう」というのも、気づいていないマイナスパターンの一つです。

 たとえば、自分の中に、こうありたい、あるいはこうあるべきだという理想があって、自分の意識が常にその理想像に焦点が当たっていれば、その「理想的な自分」から「実際の自分」をみるために、
「まだ、変わっていない。少しも変わってない」
 というふうに言いたくなってしまうでしょう。

 あるいは、レッスンしているときに、「自分のイヤなところや欠点」がまったくなくなってしまうことを目指していれば、やっぱり、
「まだ、変わっていない。少しも進歩していない」
 というふうにみえるでしょう。

 このどちらもが、イメージあるいは思考に囚われています。

 こんなイメージや思考に囚われていると、「いまの自分」を感じることが疎かになってしまいます。

 今回のレッスンは、一つは、そんな思考やイメージを外すレッスンでもありました。

 それは、自分に意識を向けて「感じる」ということでした。

 自分を感じている状態や、その時間が多くなってくると、少しずつ変化していく自分に気づくようになるはずです。

 たとえば、以前は歩くとき、セカセカと、まるで焦りを増幅するような歩き方をしていた。

 以前は、自分がそうやってセカセカと焦りながら歩いていることにすら、気づいていなかった。

 自分を感じるレッスンをして初めて、自分が焦りながらセカセカと歩いていることに気づいた。

 しばらくレッスンを続けていたら、少しゆっくり歩くようになって、歩く姿勢も変わっていた。

 こんなふうに、気づいたりします。

 形としてはごくごく小さなことのように思うかも知れませんが、意識という点で言うと、ほんとうは、この差は非常に大きいのです。